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敵からも絶賛される
グリフィンの熱きプレー。
~NBAの若き“グラディエイター”~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byNBAE/Getty Images

posted2010/12/26 08:00

敵からも絶賛されるグリフィンの熱きプレー。~NBAの若き“グラディエイター”~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

12月13日現在で平均20.3点、11.9リバウンド、ダンク数もリーグ1、2位を争う好成績

 シーズンが始まって間もなく、こんな場面を目撃した。サンアントニオ・スパーズ対ロサンゼルス・クリッパーズ戦後、スパーズの大黒柱で、12回のオールスター出場を誇るベテランのティム・ダンカンがクリッパーズのロッカールーム前で立ち止まり、スコアシートの裏面に何やら書き込んでいたのだ。

 ダンカンのメモを受け取ったのは、クリッパーズの2年目フォワード、ブレイク・グリフィン。「いつでも電話してくるように」という言葉とともに、ダンカンの電話番号が記してあったのだという。

「そのうち連絡を取って、彼の知恵を借りようと思う」とグリフィンは言う。試合の前後に対戦相手の映像を研究し、自分のプレーに取り入れているほど向上心溢れるグリフィンのこと、ダンカンに聞きたいことも山ほどあるに違いない。

絶賛の声と裏腹に厳しくなる対戦相手からのマーク。

 開幕からわずか2カ月弱、グリフィンの人気はうなぎ上りだ。NBA2年目といっても、昨季は故障で全休しているのだから実質はルーキーと同じなのだが、開幕直後から豪快なダンクと果敢なプレーで注目を浴びるようになり、ファンの人気を集め、同時に、ダンカンをはじめとするベテラン選手たちの称賛を勝ち取った。

 他チームの選手を簡単には誉めないような相手ヘッドコーチですら、「まるでグラディエイター(剣闘士)」(スパーズのポポビッチHコーチ)、「何でもできるところはラリー・バードのよう」(ユタ・ジャズのスローンHコーチ)など、様々な例えでグリフィンを絶賛している。

 もっとも、対戦相手からの試合前の絶賛は、試合では徹底マークするという予告でもある。実際、シーズンが進むにつれ、称賛の声と比例するようにグリフィンに対するマークは厳しくなってきた。ボールを持つたびに、まるで餌にむらがる魚のようにディフェンスが周りを囲み、身体をぶつけ、ファウルで止めようとする。相手の肘が顔や身体に入ることも度々。笛を吹いてもらえず、唇をかみ締めて、プレーし続けることも多い。

「笛はそのうち吹いてもらえるようになる。でも、それは今ではない。ルーキーのうちはまだだ」とグリフィン。静かに語るその言葉の裏には「今に見ていろ」という負けじ魂を感じる。その証拠に、彼はこう続けた。「それに、フィジカルなプレーは僕も望むところだ」

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