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もう退屈だとは言わせない、
絶好調スパーズの七変化。
~NBA最多勝利記録に並ぶか?~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byNBAE/Getty Images

posted2011/01/17 06:00

もう退屈だとは言わせない、絶好調スパーズの七変化。~NBA最多勝利記録に並ぶか?~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

多彩なシュート能力と変幻自在のステップで、「アルゼンチンの至宝」と呼ばれるジノビリ

 長い間、サンアントニオ・スパーズといえば、強いけれど退屈なチームというイメージが定着していた。チームの大黒柱、ティム・ダンカンの堅実なバンクショットはその象徴だった。

 ところが、今季のスパーズはひと味違う。退屈どころか、何が飛び出すかわからないびっくり箱のようなチームなのだ。差し詰めトレードマーク・プレーはマヌ・ジノビリの十八番、ディフェンスの間をすり抜けるユーロステップだろうか。

 チーム内で、そのジノビリの存在感も増している。プレーで貢献するだけでなく、積極的にリーダーシップも取るようになった。ダンカンが一歩引いて裏から支えるようになったこともあり、今や、ジノビリこそが誰もが認めるエースだ。

 とはいえ、スパーズのつかみどころのなさは、単にエースが交代したという単純なことではない。ジノビリ、ダンカン、トニー・パ―カーの中核3選手だけでなく、2年前の夏にチームに加入したリチャード・ジェファーソンをはじめとする脇役選手たちが試合ごとに入れ替わりで活躍する七変化チームなのだ。

リーグ首位独走も「僕らのDNAにある勝ち方ではない」。

 1月3日現在、スパーズは29勝4敗と、9割近い勝率でリーグ首位を独走している。シーズンを通して今の勝率を保つことができれば、'95-'96シーズンにシカゴ・ブルズが記録した歴代最多勝利(72勝10敗)に並ぶハイペースだ。

 もっとも、ヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチは「そんなことを考えるだけ馬鹿げている」と一笑に付し、「それより、こんなにディフェンスが悪いのは予定外だ」とこぼしている。ポポビッチがそう指摘したくなるのも理解できる。何しろ、ここまでのスパーズの勝ち方は、大半が3ポイントと速い展開からの攻撃を武器とした勝利で、ジノビリいわく「僕らのDNAにある勝ち方ではない」のだ。ジノビリはさらに「相手のフィールドゴール成功率を40%に抑えられるようになれば、いいチームからグレートなチームになる」と説く。年末から年明けにかけてレイカーズやサンダーを相手に、FG成功率を30%台に抑えて勝利をあげたようなディフェンスだ。

 果たして、最後にびっくり箱からは優勝リングが出てくるのだろうか。それは、今後もこのディフェンスを続けることができるかどうかにかかっている。

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