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好調ブルズを牽引する、
謎のヘッドコーチの素顔。
~情熱の遅咲き指揮官がデビュー~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byNBAE/Getty Images

posted2010/12/09 06:00

好調ブルズを牽引する、謎のヘッドコーチの素顔。~情熱の遅咲き指揮官がデビュー~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

若い頃に大学のACなども経験した苦労人は、就任会見で「夢が叶った気分」と喜びを語った

 今年6月にシカゴ・ブルズのヘッドコーチに就任するまで、トム・シボドーは謎の人物だった。

 NBAチームのアシスタントコーチ(AC)として20年の経験があり、コーチや選手の間では知られた存在だったが、チームを陰で支えるACに目を向ける人は多くない。2008年、ボストン・セルティックスがディフェンスを武器に優勝した時には、ディフェンス・システムを作り上げたコーチとしてシボドーの名前も知られるようになった。が、ヘッドコーチ、ドク・リバースの方針でACは取材禁止だったため、その人物像は一般には知られないままだった。

 ブルズのヘッドコーチに就任してから明らかになったことがいくつかある。

 まず、彼の名前は多くの人が呼んでいた「ティボドー」ではなく「シボドー」であること。本人の指摘ではっきりした。

 また、52歳で独身のシボドーはバスケットボール一筋の人だということ。相手がコーチや選手であれ記者であれ、バスケットボール談義が始まると止まらない。

「こっちが口を挟まないと2、3時間は話し続けて止まらない」と苦笑いをするのはポイントガード、デリック・ローズ。どうやら、いつも会話を切り上げるために四苦八苦しているらしい。

「勝利への気持ちがとても強いコーチ」(J・ノア)

 長話は別にして、ブルズの選手たちは今のところ、シボドーの熱心なコーチングを全面的に受け入れている。シボドーから知識を吸収し、彼が思い描くチームに近づこうと、毎試合、全力で戦っている。その結果、主戦力となるはずだったカルロス・ブーザーを怪我で欠きながらも、11月30日現在の成績は9勝6敗と、好調な滑り出しである。

「コーチはこの世界で長年やってきた、経験豊かな人だ」と中堅フォワードのルオル・デンは言う。「そのコーチが、僕らに何か特別なものを感じ、上のレベルまで引き上げようとしてくれている。厳しくするのも、僕らへのチャレンジだ」

 4年目センターのジョアキム・ノアも「勝利への気持ちがとても強いコーチ」と言う。「僕らは確実に、コーチと同じアイデンティティを持ったチームだ」

 開幕から1カ月にして選手たちにここまで言わせるとは、シボドー恐るべし。52歳の新人ヘッドコーチ、だてに経験を重ねていない。

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