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マドリード五輪消滅で
笑ったのはバルセロナ。
~物議を醸す? バルサ会長の発言~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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posted2013/09/24 06:00

マドリード五輪消滅で笑ったのはバルセロナ。~物議を醸す? バルサ会長の発言~<Number Web> photograph by AFLO

マドリード五輪の支持を表明し、Tシャツを着てほほ笑むメッシだったが今の胸中は……。

 マドリードの2020年オリンピック招致失敗に泣くスペインだが、サッカー界では人それぞれ様々な反応が見られた。

 最も敏感に反応したのは、開催都市マドリードのクラブ、アトレティコ・マドリーだ。マドリード開催が決まれば、現在建設中の新スタジアム『ラ・ペイネータ』がメイン競技場として使用されるはずだったからだ。

 クラブ幹部のミゲル・アンヘル・ヒル氏は「この敗退はアトレティコにとって痛い決定だった。我々のスタジアムでオリンピックが開催されていたら、アトレティコの価値がさらに上がったのだが……」と招致失敗を嘆いている。

 マドリードが招致に成功していれば、2015年に完成予定となっているスタジアム建設が加速しただけでなく、周辺の店舗進出や、交通機関の整備も進む見込みだったという。五輪による恩恵を期待していただけに、アトレティコ関係者の間では招致失敗を残念がる声が多い。

 一方で、マドリード人の反感を買いそうなコメントを出したのが、FCバルセロナのサンドロ・ロセイ会長だ。

'22年冬季五輪招致を計画するバルセロナでは喜ぶ声も。

 彼は「私は日本にも友人がいるし、彼らのことを思うと東京開催は嬉しい」と話し、マドリードの招致関係者を驚かせた。ロセイ会長がそう語るのは、バルセロナが2022年の冬季オリンピック招致を計画しているからでもある。彼は「バルセロナにとって、マドリードの招致失敗はいいニュースかもしれない。マドリードが敗れたことで、バルセロナ五輪の可能性が高まったのだから」と率直に話している。

 ロセイ会長以外にも、バルセロナでマドリードの招致失敗を喜ぶ声は多い。バルセロナの地元紙『スポルト』は、招致失敗が決まった翌日の一面に“さよならマドリード2020”と掲げ、首都の招致失敗を嘲笑するかのような報道を見せており、2大都市のライバル関係を感じさせる。日本であれば、仮に東京が敗れていても大阪の人がそれを喜ぶことなど考えられないだろう。

 自スタジアムの五輪利用による恩恵を期待するクラブに、ライバル都市間での五輪招致を巡る綱引き。スペインのサッカー界は、五輪理念をあまり感じさせない、それぞれの道を行くスタンスだった。

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