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古巣パンクラスへの
復帰を決めた北岡悟の想い。
~海外の強豪と渡り合うために~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2013/09/04 06:00

古巣パンクラスへの復帰を決めた北岡悟の想い。~海外の強豪と渡り合うために~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

4月にはDEEPライト級王者、中村大介と対戦し、5-0の判定勝ちで新王者となった。

 かつてパンクラスのエースとして活躍した北岡悟が古巣に凱旋。旗揚げ20周年記念興行として行なわれる「パンクラス252」(9月29日・横浜)で開幕するライト級ワールドスラム1回戦でドム・オグラーディと対戦する。

 北岡のパンクラスでのラストマッチは、2010年10月3日に行なわれた弘中邦佳戦。フロントチョークで弘中からタップを奪うや、マイクを握った北岡は突如パンクラスからの離脱を宣言した。

「自分の20代全てがパンクラスでした。パンクラスは忘れられない青春です」

 その言葉に偽りはない。北岡がパンクラスを愛し、団体の将来について真剣に考えていたことは誰の目からみても明らかだった。だったら、なぜ抜けたのかといえば、当時のパンクラスでは、北岡の実力に見合う相手を用意しづらくなってきたからだろう。育ててもらった恩はあるとはいえ、選手としてラストスパートをかけるためには団体という枠に捕らわれず生きるしかなかったのだ。

 気がついたら抜けていたと北岡は言う。

「自分の方が好きだから。パンクラスより自分の方が大事だと思ったんですよ」

リスクが高くても、実績あるオグラーディを相手に指名。

 もう二度と戻るつもりはなかった。自分の中でパンクラスの会場や道場には行かないというルールを勝手に作り、それを守り続けた。その一方で、大会映像は欠かさずチェックしていたというのだから北岡の想いは複雑だ。

 その後、北岡はDEEPとDREAMに活路を求めた。途中でDREAMは活動停止となってしまったが、今春DEEPではライト級王座を奪取している。

 3年ぶりの古巣凱旋を決心させたのは、昨年6月にパンクラスの体制が刷新されたことがきっかけだった。新たに代表となった酒井正和氏が打ち出した「世界標準」に基づいて開催されるワールドスラムの日本vs.世界というコンセプトは、海外の強豪との対戦を熱望する北岡にとって願ったり叶ったりだったのだ。

 だからこそイージーな相手と闘おうとは思っていない。その証拠に北岡が指名したオグラーディは、この国際トーナメントに出場する外国人選手の中で一番実績のある選手だ。ひと言ではとても表現できそうもない古巣への想いを、33歳の北岡は大きなリスクを伴った闘いを通して見せようとしている。

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