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降格の危機からスクデット獲りへ!
ラツィオを変えた老将レーヤの兵法。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2010/11/12 10:30

降格の危機からスクデット獲りへ!ラツィオを変えた老将レーヤの兵法。<Number Web> photograph by Getty Images

セリエA最年長の65歳ながらも、ピッチ際では熱く檄を飛ばすレーヤ監督。どこまで首位を守れるか

「スクデットはミラノの2チームだけで争うものではない」

 リーグ戦の最終目標について、当の選手たちは「4位以上に行ければ上出来」と口を揃えるが、「俺たちにはチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの負担がない。来年春まで上位をキープできて、ライバルに疲労が溜まっていたら優勝を狙うチャンスだ」(FWフロッカリ)というのが本音だろう。

 '74年、マエストレッリ監督に率いられ、クラブ最初のスクデットを勝ち取ったGKプリチやDFマルティニら当時の優勝メンバーたちも、「スクデットはミラノの2チームだけで争うものではない」と後押しする。

「そうは言っても、このチームが優勝を狙える器ではないことは重々承知している。だが、現時点で先行しているのはわれわれだ。このまま他の優勝候補が足踏みしたままなら……。行けるところまで行かせてもらう」

 10節のローマダービーを前に不敵なレーヤだったが、大きく弾みをつけるはずだったこの大一番で、まさかの敗戦。試合を決めたローマへの微妙な2本のPK判定に怒り心頭の指揮官は、試合後「この負けぐらいで、わしのチームが大人しく縮こまるものか!」と気を吐いた。苦い敗戦は、かえってダークホースの闘志をかき立てる効果があったようだ。

 晩秋のフォルメッロ練習場へ通うサポーターたちは、意気軒昂そのもののレーヤの、もうひとつの口癖を知っている。

「わしはまだ耄碌などしておらん。80歳まで監督をやる」

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ラツィオ
エドアルド・レーヤ

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