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初出場のCLで快進撃中のトッテナム。
“ふたりのエース”が落とし穴に? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2010/11/14 08:00

初出場のCLで快進撃中のトッテナム。“ふたりのエース”が落とし穴に?<Number Web> photograph by AFLO

11月2日、CLグループリーグ第4節のインテル戦で先制点を挙げたファンデルファールト。3-1で快勝し、得失点差でインテルをおさえ、グループA首位に立った

 11月2日、ホワイト・ハート・レーンで昨季CL王者のインテルを相手に3-1と快勝したトッテナム。63歳のハリー・レドナップ監督が、「キャリアの中でも最高の部類に入る一夜になった」と評した勝利は、CL初体験のクラブとサポーターにとっても歴史的なできごとだった。

 先制の一撃を見舞ったのは、今季新加入のラファエル・ファンデルファールトだった。ハムストリングの怪我をおしての出場だったが、“ビッグプレーヤー”らしく、大一番で大仕事をこなした。巷では、すでにプレミアリーグの「今季最高の新戦力」と讃えられている。

 ファンデルファールトは、夏の市場最終日の8月31日に「駆け込み移籍」でトッテナム入りすると、先のインテル戦までの10試合で6ゴール3アシストを記録。ファンが、15年前に移籍1年目にして30得点を叩き出した、ユルゲン・クリンスマンの名を引き合いに出して期待を寄せる気持ちも理解できる。

 移籍金は約11億円。同じく今年の夏の市場で、イングランド代表MFのジェームズ・ミルナー(マンチェスターC)が、3歳若いとはいえ3倍以上の移籍金で取引きされたことを考えれば、27歳のオランダ代表MFは「今夏最大のバーゲン」と言って差し支えはないだろう。

開幕当初は「今夏最大のバーゲン」の起用法が争点に。

 しかし開幕当初は、この移籍が必ずしもチームに好結果をもたらすとは考えられていなかった。

 そもそも、獲得はレドナップではなく、会長のダニエル・レビー主導で行われた。つまり、指揮官の頭の中にファンデルファールトを加えたチームの青写真はなかったのだ。それゆえ、獲得が実現した時点で最善の起用法が明確ではなかった。

 ファンデルファールトは、クラブと代表の双方で、自身が好むトップ下の他、左右のウィングでプレーしてきた。しかしトッテナムには、あっさり控えに回すには惜しい攻撃陣がそれぞれのポジションに存在する。プレーメイカーには、移籍2年目の昨季にチームの中核に成長したルカ・モドリッチ。左右両翼にも、SBからの転向で昨季後半から絶好調のガレス・ベイルと、国内随一のウィンガーであるアーロン・レノンがいる。かといって、彼らとのローテーションでは、ファンデルファールトが納得しない。「夢」と語っていたレアル・マドリーをたった2年で去ったのは、常時出場が叶う環境を求めてのことだったのだから。

【次ページ】 デフォー負傷離脱でファンデルファールトに利用価値が。

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