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Jとの両立は諸刃の剣。
ACL出場クラブの憂鬱。
~レイソル以外はGL敗退の現実~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byAFLO SPORT

posted2013/06/22 08:00

Jとの両立は諸刃の剣。ACL出場クラブの憂鬱。~レイソル以外はGL敗退の現実~<Number Web> photograph by AFLO SPORT

 Jリーグ勢では唯一、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)でグループリーグを通過していた柏が、決勝トーナメント1回戦も突破。クラブ初のベスト8進出を果たした。

 昨季は準々決勝を前にJリーグ勢が全滅したことを思えば、これで昨季の成績を超えたことにはなるのだが、結局、Jクラブがひとつしか残れなかったことに、少なからず寂しさも感じている。

 さて、今季のACLを見ていてあらためて感じるのは、J1と両立させることの難しさである。

 柏のネルシーニョ監督は「疲労の回復を一番に考えるが、うまく回復できれば最高の戦力で次の試合に臨む。選手の温存は考えていない」と語り、常にベストメンバーで臨んできたが、J1での順位は11位。ACLに出場した4クラブのなかでは、皮肉なことに柏が最低順位に甘んじているのは象徴的だ。

 対照的に、J1で5位と好位置につける広島は、ACLでは1勝もできずにグループリーグ敗退が決まった。そもそも広島の場合、どこまで本気で両立させる気があったのか、ACLに臨むメンバー構成を見る限り疑わしかった。

J1での混戦が度を過ぎれば、アジアでの競争力低下になる可能性も。

 とはいえ、それを批判するのは難しい。現在のJ1は、前季3位のクラブがJ2に降格してしまうリーグなのである。下手に二兎を追った結果、降格したのでは元も子もない。二兎を追うのか。あるいは一兎に絞るのか。優先事項を決められるのは、当該クラブでしかないのだ。

 それはACLばかりでなく、ナビスコカップについても言えるのだろう。J1で快進撃を続ける首位・大宮も、ナビスコカップではあっさりとグループリーグ敗退。あれもこれもと欲張れば、J1での大躍進はなかったのかもしれない。

 どのクラブにも優勝のチャンスがあるリーグというのはスリリングであり、それはそれでおもしろいのだろう。

 だが、戦力の均衡化は裏を返すと、ほとんどのクラブに二兎を追うだけの“体力”がないことを表わしている。これでは、いつまで経っても「どんぐりの背比べ」。韓国ばかりか、台頭する中国やタイのクラブにも後れを取りかねない。

 群雄割拠の混戦リーグも、度が過ぎれば、アジアにおける競争力を失わせてしまう危険性がある。

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