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小橋に続き田上も引退へ。
「方舟新章」の正念場。
~プロレスリング・ノアの世代交代~ 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/06/13 06:00

小橋に続き田上も引退へ。「方舟新章」の正念場。~プロレスリング・ノアの世代交代~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

玉麒麟の名で角界でも活躍した田上はプロレス転向後、全日の四天王として一時代を築く。

 プロレスリング・ノアが、“絶対王者”小橋建太の引退試合の翌日5月12日に東京・後楽園ホールで「方舟新章」と銘打って新たな再建への舵を切った。

 精神的なバックボーンであった小橋が去り、秋山準以下バーニングの5選手が退団したいま、戦力ダウンが否めないノア。再出発の合言葉は「心に残るプロレス」であるが、その前途は厳しい。

 この後楽園ホール大会で田上明社長が、「私事ですが、12月にラストマッチをして、社長業に専念したい」と引退を表明、25年間の選手生活にケジメをつけることになった。

 団体設立者の三沢光晴さんが没して4年。実戦面のリーダー、丸藤正道副社長とのツー・トップでノアを維持してきた。温厚な人柄だけでは、組織の再結束は難しい。そろそろ、三沢のグリーン・カラーからの脱却も迫られてくる。下半期に向け、どんな企画を打ち出すのか。これから真の経営手腕が問われる。

 6月13日、ノアは後楽園ホールで「三沢光晴メモリアルナイト」を開催する。メーン・カードは、GHCヘビー級王者V14の実績を持つ杉浦貴と丸藤の一騎打ちだ。その勝者が7月7日に東京・有明コロシアムで予定されているタイトル戦で、王者KENTAへ挑戦することが有力である。

小さなエース・KENTAが反体制派となって生まれた改革ムード。

 こうしたノアの台所事情と危機感を、174cm、81kgの体で受け止めているのは小さなエース・KENTA。無冠の帝王・高山善廣を後見人に、反体制派のユニットを結成し、団体内に改革のムーブメントを起こしている。

 KENTAは今年1月、巨漢・森嶋猛を破ってGHCヘビー級王座を初戴冠した。6月2日の福岡・博多スターレーンでは、新日本の難敵・矢野通を24分31秒、必殺のゴートゥースリープ(担ぎ上げ顔面ヒザ蹴り)2連発でKO。マイバッハ谷口、杉浦からのベルト死守に続き、3度目の防衛を飾ったばかりだ。

 イスと急所攻撃に苦しんだKENTAだが、「もう1回ノアを再建していくうえで、ベルトを手放すわけにはいかなかった。アレ(反則)もれっきとしたプロレス・スタイルのぶつけ合い」とエースのプライドをのぞかせる。次期防衛戦の最大の敵は怪我だ。ノアの頂上対決。7・7七夕決戦が待たれる。

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