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全日本分裂の地殻変動で、
残った諏訪魔の強い決意。
~武藤と袂を分かち王道再建へ~ 

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門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/07/21 08:00

全日本分裂の地殻変動で、残った諏訪魔の強い決意。~武藤と袂を分かち王道再建へ~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

3冠ヘビー級ベルトを守った諏訪魔のファイトが、今回の分裂騒動で唯一の救いとなった。

 騒動は10年周期で起こる。業界の悪しき喩えではないが、武藤敬司の全日本プロレスが真っ二つに分かれた。

 昨年11月、企業再生支援会社スピードパートナーズの白石伸生社長が全日本の全株を取得、オーナーとなった。武藤会長は全株を買い戻すために交渉に当たっていたが断念し、6月1日付で会長を辞任した。腹心であった内田雅之社長が更迭されたことが影響した。

 新日本出身の武藤は2002年2月、全日本に電撃移籍し、同年10月にオーナー兼社長に就任。全日本の在籍期間は約11年になる。「白石新社長とはやっていけない」という武藤は、このままプロレス活動を継続、7月10日に新団体「WRESTLE-1」の旗揚げを発表した。

 武藤に賛同、6月30日付で退団したのは、船木誠勝、河野真幸、カズ・ハヤシ、KAI、浜亮太、近藤修司、田中稔、大和ヒロシらのグループだ。武藤の秘蔵っ子といわれる真田聖也はカナダに遠征中で、帰国後に態度を明らかにする。

 全日本に踏みとどまるのは「看板を守る」と強い意思を示し、恩人・武藤との訣別を決意したエース諏訪魔だ。外国人選手の柱であるジョー・ドーリング、ベテランの大森隆男、渕正信、KENSOらも続く。

6・30両国で3冠初防衛に成功した諏訪魔の「会社を守る」決意。

 秋山準をリーダーとするバーニングの5人衆は、あくまでフリーの立場で、「オファーさえあれば、どこのリングにでも上がる」と発言。当分は、全日本のリングで大暴れすることになりそうだ。

 一方、フリーの曙、負傷欠場中の征矢学は微妙なところ。7月中には態度がはっきりするだろう。

 この状況の中、行なわれた6・30両国国技館大会の観客動員数は、主催者発表で6500人。まずまずの入りとなった。注目の王者・諏訪魔×挑戦者・秋山の3冠ヘビー級決戦は、パワーに勝る諏訪魔が秋山の得意技リストクラッチ式エクスプロイダーを封じ込め、22分29秒、バックドロップから必殺のラストライド(パワーボム)を見舞って逆転勝利。'11年10月、3冠戦で秋山に敗れた借りを返し、初防衛に成功した。

「俺ひとりのものではない。ベルトを守るということは、会社を守ることだ」

 諏訪魔のVコメントが心に響く。白石新オーナーに望むことは、まずリングに信頼と信用を取り戻すことである。

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