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【コンフェデ2013 出場国解説】
命運は“諸刃の剣”スアレスに――。
南米の古豪・ウルグアイの不安。 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2013/06/05 10:30

【コンフェデ2013 出場国解説】命運は“諸刃の剣”スアレスに――。南米の古豪・ウルグアイの不安。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

1930年の第1回W杯で優勝した“古豪”。2010年の南アW杯では、大会得点王に輝いたフォルランや、スアレス(写真右)、カバーニ(左)らの活躍で40年ぶりのベスト4入りを果たしている。

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今回は、南米王者として大会に臨む“古豪”ウルグアイ。
世界有数の2トップを擁しながら、拭いきれない懸念とは――。

 '10年W杯南アフリカ大会では4位、そして'11年のコパ・アメリカでは'95年以来となる優勝を果たしたウルグアイ。高らかに復活の声を挙げたはずの“南米の古豪”は、現在ブラジルW杯予選で苦戦を強いられている。

地域 南米代表
(コパ・アメリカ2011優勝)
出場回数 6大会ぶり2回目
監督 オスカル・タバレス
FIFAランキング 17位(5月9日現在)

 ブラジルが開催国枠で出場するため、今回の南米予選は9チームが4.5枠(上位4チームは本大会出場、5位チームは大陸間プレーオフ)を争う構図となっている。ウルグアイは最初の5試合で3勝2分けと好スタートを切ったものの、昨年9月7日に行われた敵地でのコロンビア戦で0-4の大敗を喫して以降、急激に雲行きが怪しくなっている。

 コロンビア戦の4日後に行われたホームのエクアドル戦で1-1の引き分けに終わると、翌10月のアウェー2連戦で悪夢を見た。大一番と見られた10月12日のアルゼンチン戦はメッシの2ゴールなどで0-3の完敗。チームはショックを引きずり、標高3600mのラパスで行われたボリビアとのアウェー戦で1-4の惨敗を喫したのだ。

 悪い流れは今年になっても変わらず、3月26日のチリ戦でも0-2と完敗。第12節終了時点での順位は6位と、W杯出場すら危うい状況に追い込まれている。

2トップは世界有数のコンビだが、懸念はスアレスの“暴走”。

 ここ一年間の成績が2勝4分け5敗と苦しんでいるウルグアイ代表が、活路を見い出すとすれば2トップだろう。セリエA・ナポリで今シーズン29得点をマークして初の得点王に輝いたカバーニと、リバプールで23ゴールを叩き込んだスアレスのコンビは、世界でも有数のコンビと言える。

 しかし一番の問題点は、エースであるはずのスアレスの暴走ぶりである。所属するリバプールでは、4月のチェルシー戦で相手DFのマークに苛立って噛み付く愚行を犯したのは、もはや誰もが知るところ。イングランドサッカー協会から10試合出場停止処分を受けたこともあって試合勘の部分でも不安が残るが、それ以上にタバレス監督の頭を悩ませるのはその“常習性”だろう。

 実はW杯予選・チリ戦でも、相手DFとの競り合いの中で顔面にフックを入れていた。審判団が見逃したために出場停止処分を受けなかったが、いつ再びスアレスの癇癪が爆発してもおかしくないのである。

 アタッカー陣では長きにわたってウルグアイを支えたフォルランも代表メンバーに選出されているが、往年の力は持っていない。そしてW杯南米予選(第12節終了時)でワーストタイとなる21失点を喫している現状では、できる限り守備に重きを置いて、前線の決定力に託した戦いを選択するのが最善手だろう。

 そのためにはスアレスが、試合終了の笛が鳴るまでピッチに立っていてもらわないと困るのだが……。


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