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小倉で復活の武豊、
凱旋門賞に大きな期待。
~ヴィクトワールピサで頂点へ~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/08/21 08:00

小倉で復活の武豊、凱旋門賞に大きな期待。~ヴィクトワールピサで頂点へ~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 3月27日の毎日杯の直線の攻防で騎乗馬が故障。馬場に叩きつけられたはずみで腰椎横突起骨折、左鎖骨遠位端骨折などの重傷を負って戦列から長く遠ざかっていた武豊騎手が、夏の小倉競馬についに帰ってきた。

 復帰初日は8月1日の小倉記念当日。土曜競馬はあえて見送り、日曜に2鞍のみ。あからさまに大事を取ったことがわかるスタートだったが、本人もそれを否定しようとはしなかった。

「腰はあっという間に治ったんですが、鎖骨は苦労しました。肩の筋肉と複雑に絡み合っている場所だったので、じれったいほど治りが遅いんです。いまもレースでは普通に動けますが、すぐにケアをしないと不安に思ってしまいます」

 以前の休み明けでは、「リハビリ騎乗とは言われたくない」と気負いが混じった発言が目立っていたものだが、今回は放つオーラにも尖ったものがないことに気がつく。大事なクラシックシーズンを棒に振ってしまった無念さを乗り越えたことで、達観しているのかもしれない。初騎乗の第6レースは未勝利戦でありながらもパドックは大勢のファンで満杯。「お帰り~」の大声援を浴びて、「ちょっとジンと来そうになりました」とも漏らしていた。

欧州最強馬ハービンジャーの故障で見えてきたチャンス。

 その翌週も、やはり小倉で騎乗して早速の1勝。133日ぶりの勝利で健在をアピールした。「応援してくれた人たちへの感謝がこみ上げてくるようで、特別にうれしい」と、ここでも以前にはない感傷的なコメントが出てきたが、それほど今回の復帰までの道のりは長く辛いものだったということなのだろう。

 療養中にうれしい騎乗オファーがあった、ヴィクトワールピサ(牡3歳、栗東・角居勝彦厩舎)の凱旋門賞(10月3日、フランス・ロンシャン競馬場、芝2400m、GI)挑戦も、武豊騎手の大きなモチベーションになっているのは間違いない。前哨戦として9月12日のニエユ賞(ロンシャン、芝2400m、GII)への出走も計画されており、馬は8月18日に成田から出発し、ジョッキーも小倉の最終週の騎乗を見送って、早めに戦地フランスに乗り込んで一緒に準備に努めることを検討しているそうだ。欧州最強馬ハービンジャーの故障で、日本馬にもチャンス十分の凱旋門賞という見立てだ。

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