SCORE CARDBACK NUMBER

現役引退後も記録達成か。
“種牡馬ディープ”の実力。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/07/25 08:00

現役引退後も記録達成か。“種牡馬ディープ”の実力。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

新馬戦で2着に2馬身差で勝利したサイレントソニック。父ディープを超える日は来るか

 名選手必ずしも名監督に非ず、と言われるように、競走馬として素晴らしい成績を残した馬が種牡馬や繁殖牝馬としても優秀かといえば、そうと決まったものではない。たとえば、先日25歳で天命を全うしたオグリキャップ。競走馬時代の偉大な足跡は文字通りの名声に包まれたものだったが、種牡馬としては僅か数年であっさり諦められたほどの期待外れの成績に終わった。オグリ自身は、後半のまったりとした余生をむしろ楽しんでいたのかもしれないが、人間側から課せられた「名馬」のハードルは気の毒なほどに高い。大横綱なのに「アイドルホース」の名に甘んじたのは、そういう理由ではなかったか。

「間違いなくディープは成功します」と調教師も太鼓判。

 対照的に、ディープインパクトは種牡馬としても最高のスタートを切った。2歳の新馬戦がスタートして1カ月も経っていないこの時期に大成功を言うのはいかにも早すぎるが、3頭がデビューして2頭がいきなりの1着。もう1頭も見せ場たっぷりの3着なのだからまさに文句なしだ。福島の芝1200mを逃げ切ったサイレントソニック(牝、母ムーンライトガーデンズ)と、同じく福島の芝1800mを追い込んで勝ったヒラボクインパクト(牡、母ドリームカムカム)は、ともに美浦の国枝栄厩舎の所属馬。ディープ自身は2000m以上のレースしか経験がなく、無尽蔵のスタミナを源とした圧倒的な末脚を武器としていただけに、その子供たちが短い距離もあっさりこなしたのが大きな収穫。馬体は父譲りのコンパクトな見栄えだが、国枝調教師は「この薄さがいいんです。薄いから走りが軽いし、軽いから故障の心配も要らない。間違いなくディープは成功します」と、種牡馬の力を絶賛した。

偉大な父、サンデーサイレンスの記録を塗り替えるか?

 国内唯一の1000万円の種付け料を取っている大エースが想像以上の成果をあげたのだから、馬産地の盛り上がりも当然。値段の高い馬が期待通りに走ってくれることがなによりも景気高揚に繋がると信じられているのだ。

 これまでの新種牡馬の2歳戦での勝ち鞍は'94年にディープの父・サンデーサイレンスがマークした33勝が最高。出走頭数は36頭と少ないなかでの成果だったので、初年度産駒が147頭もいるディープインパクトが、偉大な父の記録を塗り替える可能性も十分に見えてきている。

■関連コラム► 夢の続きを託された、ディープ2世が誕生! (08/02/14)
► <証言構成> ディープインパクト 血に託した夢。 (07/10/18)

関連キーワード
ディープインパクト

ページトップ