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長友復帰の“ミステリー”と、
インテルが抱える病巣。
~負傷者続出の責任はどこに?~ 

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豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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posted2013/05/24 06:00

長友復帰の“ミステリー”と、インテルが抱える病巣。~負傷者続出の責任はどこに?~<Number Web> photograph by Getty Images

復帰戦から積極的な攻め上がりを見せるなど、チームに不可欠な戦力であることを証明した。

 5月12日ジェノア戦での長友佑都の復帰は多くのイタリア人を驚かせた。4月中旬の試合で膝を負傷してからというもの、メディアでは「今季絶望」と報じられていたからだ。

 長友は今季、2度膝の負傷から立ち上がっている。2月のミラノダービーで負傷した彼は4月に復帰するも、その試合で再び膝を痛め、7分後にはピッチを後にした。手術が必要との報道もあったが、日本とイタリアでの診断の結果、手術は見送ることになる。そしてリハビリの末、わずか1カ月でピッチに戻ってくることになったのだ。『長友の膝のミステリー』とされるが、早期復帰を喜ぶ声は多い。

 ストラマッチョーニ監督は「長友のクオリティに疑いの余地はない。彼はインテルの現在と将来を担う柱だ。(負傷対応の)判断は間違ってはいなかったし、復帰は嬉しい」と、復帰直後に好プレーを見せた背番号55を讃え、手術を避けた判断についても自画自賛している。

 長友の復帰はインテルにとって好材料だが、クラブには来季に向け解決しなければならない問題が山積みとなっている。

指揮官が不満を漏らすなど、現場と医療チームの連携不備が明白に。

 今季、インテルは14年ぶりにヨーロッパカップ戦への出場権を逃したが、その最大の理由は3度の長友の負傷も含む、惨状とも言える離脱者の数だった。

 シーズンを通しての負傷数は40をこえており、その中にはミリートやサネッティのケースのような長期離脱もある。4月には2週間で7人の負傷者を出すなど、同時期に負傷が多発したことも事態を深刻にした。経験の浅い下部組織の10代を複数起用せざるを得ないなど、監督には十分な持ち駒がなかった。

 ドクターやフィジカルコーチ陣の責任を問う声も出ている。ストラマッチョーニは「負傷の理由は不運だけじゃない。3人のアキレス腱と2人の十字靭帯が切れているようでは私には何もできない」と公の場で不満を表すなど、現場スタッフと医療チームの連携がうまく行っていないのは明らか。長友やラノッキアなど、完治していないにもかかわらず必要に迫られて出場したケースもあり、それがさらに状態を悪化させることにも繋がった。

 来季に向けた有名選手の補強の必要性も叫ばれるが、何よりもコンディショニングメソッドの見直しや医療スタッフと現場の関係修復を優先するべきだろう。

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