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好調フォースインディアの
したたかなコース外戦略。
~F1中堅チームに出た明と暗~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byGetty Images

posted2013/04/18 06:00

古巣に復帰したスーティルが、一時は自身キャリア初の首位となる快走を初戦から見せた。

古巣に復帰したスーティルが、一時は自身キャリア初の首位となる快走を初戦から見せた。

 中間チームながら、ビッグチームをしばしば脅かすフォースインディアが、「メルセデス・エンジン長期契約」を発表。新規定パワーユニット導入となる'14年に向けて、いち早く動いた。

 '09年からメルセデスを使用しているが、さらにギアボックスや油圧システムなども含む大型契約となる。フォースインディアの次期エンジンは昨年オフから注目されていた。一時はフェラーリが浮上。また、現在はメルセデスと契約を結ぶマクラーレンがホンダとの再契約に動きつつあり、フォースインディアも交渉しているとの情報も流れた。しかしメルセデスを選択。近未来にマクラーレン・ホンダが復活となれば、空いたポジションに浮上する。複数メーカー相手に交渉を重ねたインド籍の中間チームは、コース外でもしたたかな手腕を見せる。

 レースでは、開幕戦ダブル入賞を決め、マクラーレンやザウバーを抜いて第2戦時点でランク5位。古巣に返り咲いたA・スーティルが、昨年のK・ライコネン、'10年のM・シューマッハーに勝るとも劣らぬカムバックぶりで貢献。チームに数億円のスポンサーをもたらしたドイツ人は、メルセデスからの支援も期待できる。

ザウバー、ウイリアムズはニューマシンが機能せず苦しい序盤戦に。

 好調のカギは、元ブリヂストンの日本人エンジニアを要に、オフ・テストからタイヤ・マネージメントの分析に集中してきたことだ。初戦では勝者ライコネン・ロータスと同様、2回ストップ戦略を成功させた。資金力の乏しい中間チームが、毎戦アップデートパーツを開発するのは難しい。重点レースを定めて、準備期間は現有戦力でコース最適化に励んできた。

 一方で、昨年は小林可夢偉とS・ペレスによって開幕ダッシュを切ったザウバーがふるわない。新ドライバー体制で、大胆なニューマシンを投入したものの、テストでは起きなかった信頼性の問題が発生。ようやく第2戦でN・ヒュルケンベルグが8位入賞にこぎつけた。

 同じく昨年序盤に入賞を重ね、第5戦で8年ぶり勝利を上げたウイリアムズも苦しいスタートだ。ニューマシンの空力コンセプトがきちんと機能せず、その修正作業に追われている。闘将F・ウイリアムズ氏の妻が亡くなる不幸も重なり、名門チームは出遅れた。

 序盤から中間チーム勢の間に、「明と暗」のコントラストが強く出てきている。

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