コディーノは藤沢厩舎に初の栄冠をもたらすか？

　ほかにもいくつか、ありそうな「終わってみれば……」がある。

「終わってみれば、やはり前評判は正しかったんだなあ」とコディーノの走りを見て思う、なんていうことも、充分あり得る。

　新馬戦、札幌2歳ステークス、東京スポーツ杯2歳ステークスと3連勝し、

　――シンボリルドルフ以来、関東から無敗の三冠馬が誕生するかもしれない。

　とまで言わしめたコディーノを管理するのは、10年連続JRA最多勝利調教師となり、海外でのGI勝ちもある藤沢和雄である。数々の栄冠を手にした伯楽も、いまだ牡馬クラシックには縁がない。

「この馬でクラシックを勝てなければ、ほかの馬で勝つことはできない」

　藤沢がそこまで評価していたコディーノが、単なる早熟であるわけがない。年明け初戦の弥生賞で、折り合い面などの修正ポイントを確認しながら僅差の3着となり、世代上位の力を維持していることを証明した。

　皐月賞を圧勝し、ルドルフ級の王者として「復権」する可能性もかなりある。

別路線で来るキズナを含めた三強が主役の座を取り戻す!?

「終わってみれば、やはり三強だったんだなあ」というのも、いかにもありそうだ。

　このコラムの初回で私が「三強」と紹介した、コディーノ、キズナ（父ディープインパクト、栗東・佐々木晶三厩舎）、エピファネイア（父シンボリクリスエス、栗東・角居勝彦厩舎）のうち、弥生賞で5着に敗れたキズナは皐月賞をスキップし、ダービーに照準を合わせることになった。

　なので、皐月賞には三強のうち二強しか出てこないわけだが、前述したように、コディーノが惨敗することは考えにくい。そして、このエピファネイアがコディーノに先着するか、先着できないにしても近くでフィニッシュする可能性もかなり高く、終わってみれば、

　――「やはり二強は力が上だ。この2頭と互角の競馬をしたキズナも強いんだ」

　という見方がなされ、ダービーに向けて、別路線で来るキズナを含めた三強が主役の座を取り戻す、なんていうこともあるかもしれない。

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