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荒れ模様のクラシック戦線。
キーワードは“親孝行”?
~不遇をかこつ種牡馬の産駒に注目~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byKiichi Yamamoto

posted2013/04/06 08:00

スプリングSを完勝したロゴタイプ。C・デムーロ騎手は「イージーウィン」とコメントした。

スプリングSを完勝したロゴタイプ。C・デムーロ騎手は「イージーウィン」とコメントした。

 新馬、札幌2歳S、東スポ杯2歳Sと、有無を言わさぬ3連勝。子供の競走に古馬が一頭だけまじっているかのようなコディーノ(牡3歳、美浦・藤澤和雄厩舎、父キングカメハメハ)の完璧な走りは、今年のクラシック戦線の中心となる存在感を発揮していた。ところが、朝日杯FSで負けて2歳の年度代表馬を逸したことでにわかに疑問符がつき、先日の弥生賞の3着敗退で完全に下界に降ろされてしまった。大きく負けたわけではなく、依然として有力な候補ではあるが、クラシックの混沌はコディーノの成長力不足によるところが大きい。

 入れ代わりに主役の座に躍り出たのは、朝日杯FSで単勝130円のコディーノを競り負かしたロゴタイプ(牡3歳、美浦・田中剛厩舎、父ローエングリン)だ。

 札幌2歳Sでは全く歯が立たなかった相手を、3カ月後には力ずくで逆転してしまう凄まじい成長力。さらに3カ月の充電期間を挟んだスプリングSは、ライバルたちの動きをじっくり観察する余裕を見せたうえでの楽な抜け出しと、勢いはさらに増すばかりなのだ。

父の種付け人気が低かった、ロゴタイプとクラウンロゼの共通点。

 プレ皐月賞とまで言われた、強力なメンバーが揃った弥生賞を制したカミノタサハラ(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎、父ディープインパクト)など、候補はほかにもいるが、皐月賞(4月14日、中山芝2000m、GI)の栄冠に最も近いところにいるのはロゴタイプであろう。

 ロゴタイプの父ローエングリンは、孝行息子の出現で大ブレーク中。昨年までは30万円の種付け料でも閑古鳥が鳴いていたのに、今年は50万円に値上げしても、捌き切れないだけの申し込みに沸いているという。ローエングリン自身は戦績においても血統的にもマイラー色が濃いわけで、そのあたりがダービーでどう出るかの興味も尽きないところだ。

 一方、牝馬のクラシックは主役不在の大混戦。皐月賞より1週早く行なわれる桜花賞(4月7日、阪神芝1600m、GI)は、単勝10倍以下が五指に余ると予測されている。その中で特に注目したいのはクラウンロゼ(牝3歳、美浦・天間昭一厩舎、父ロサード)だ。アネモネSで試した脚質転換をあっさりクリアした競走センスが秀逸。父ロサードはここ2年種付けゼロの不人気馬だが、この娘が物凄い親孝行をしでかしそうだ。

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