フェラーリと契約すれど、WECからF1への復帰は未知数。

　'12年に3年ぶりにF1に復帰して初表彰台を獲得したロマン・グロージャンは、'10年にGTカーでレースをしていた経験を持つ。また今年の開幕戦で古巣からF1に復帰したエイドリアン・スーティルは、1年間まったくレースをせずに浪人していたが、復帰するや開幕戦から好調な走りを披露している。こういった例を見る限り、F1を離れたことによる技術的なハンディがかつてほど大きくないことも事実だ。

　とはいえ、F1はスポーツであると同時にお金や政治力が絡み合う複雑な世界。たとえドライバーの腕が衰えてなくとも、F1復帰の保証は現時点で何もない。その現実を宮川も可夢偉も理解している。その上で、彼らは4月12日にイギリス・シルバーストーンで開幕するWECに参戦する。

　それもまた、現実なのである。