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ドイツのタコより凄い占い師登場。
南アW杯優勝国はオランダである! 

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熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

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photograph byTakashi Kumazaki

posted2010/07/11 12:40

ドイツのタコより凄い占い師登場。南アW杯優勝国はオランダである!<Number Web> photograph by Takashi Kumazaki

 ワールドカップもあと決勝戦の1試合を残すだけになり、ヨハネスブルクにはすでに祭りの後といった気配が漂い始めている。

 大会も終盤になった最近、メディアを賑わせている言葉が「ゼノフォビア・アタック」。

 一見、格好いい言葉だが、これは「外国人襲撃」を意味する。

 安価な労働力を確保するため、近年、南アフリカ政府は移民政策を推し進めており、国内にはジンバブエ人やモザンビーク人、ナイジェリア人などが大量に流入している。厄介なことに、移民と南アフリカの黒人たちの間には根深い対立が横たわる。移民たちが自分たちの仕事を奪っている、と黒人たちが考えているからだ。

 2年前、南アフリカでは全国規模で「ゼノフォビア・アタック」が発生し、至るところで悲劇が生まれた。ワールドカップ中は鳴りを潜めていたが、大会後、それが一気に再燃するという噂が実しやかに流れているのだ。移民たちの中には、荷物をまとめて祖国に避難する人々が後を断たない。新聞各紙には、たくさんの荷物を抱え、幹線道路脇でバスやトラックを待つジンバブエ人の写真が載るようになった。

 夢のワールドカップが終わりを迎え、南アフリカはふたたび厳しい現実に直面しようとしている。しかし筆者はもう少し、ワールドカップ気分に浸っていたい。

 ということで、かねがね南アフリカで体験したかったことを決勝戦の2日前に実行してみた。呪術師に会い、スペインとオランダ、どちらが世界一になるか占ってもらったのだ。

ガーナ代表の快進撃は、ある「壺」のおかげなのだ!

 アフリカのサッカーと呪術は、切っても切れない関係にある。筆者は2008年、アフリカ選手権のため1カ月滞在したガーナで、そのことを痛感した。

 この大会の最中、地元のスポーツ紙に刺激的な写真が掲載された。エジプトの選手たちが練習後、大勢で仔牛を倒し、短剣でのど笛を掻き切っているのだ。つまりは生贄、である。

 この写真を地元のガーナ人たちに見せたら、彼ら彼女たちは、違う意味で驚いていた。

「へえ、エジプト人は生贄に仔牛を捧げるんだ。わたしたちは普通、山羊なんだけどね」

 つまりアフリカの人々にとって、勝利を祈るとき生贄を捧げるのは当たり前なのだ。

 今大会もそうだったが、ブラックスターズと呼ばれるガーナ代表の試合には必ずといっていいほど、頭に壺を乗せた、全身ガーナ国旗のトリコロールを塗りたくった男が登場する。この壺は、きわめて重要だ。男が願うと、この壺は世界中のパワーを吸収し、ブラックスターズに神風が吹くというのだ。今大会の彼らの躍進の背後に、この壺があったことは間違いない。

 ちなみに、勝利を9割方手中にしながらウルグアイにPK負けした準々決勝では、この壺がなかったという。懇意にしている南アのタクシー運転手であるブルースによると、「警備員が壺の持ち込みを許さなかった」のだそうだ。壺さえあれば、延長終了間際にギャンがPKを外すことはなかった。警備員がアフリカの夢を壊した、そう断言しても言い過ぎではないのである。

【次ページ】 南アW杯の決勝戦を最強呪術師に占ってもらうことに。

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