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ジャブラニが示した
日本の今後の「課題」。
~W杯でFKの得点が少なかった理由~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byTakuya Sugiyama(JMPA)

posted2010/07/21 06:00

ジャブラニが示した日本の今後の「課題」。~W杯でFKの得点が少なかった理由~<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama(JMPA)

デンマーク戦でFKを決めた本田圭佑と遠藤保仁。ジャブラニは日本選手向きだったのか

 今回のワールドカップで採用された新ボール、「ジャブラニ」。大会前から様々な選手が、これをコントロールすることの難しさを語っていたが、確かに、今大会では簡単なトラップミスやパスミスが目立っていた。

 同様に、FKを直接決めるゴールが極端に少なかったのも特徴である。

 例えば、ファンペルシ(オランダ)はブラジルとの準々決勝で、前後半各1本ずつのFKでゴールを狙ったが、2本ともまったく同じように大きく浮かした。

 印象としては、下からこすり上げようとしても軽すぎて回転がかからず、そのまま上へ飛んで行ってしまった、といった感じだ。翌日の試合では、メッシ(アルゼンチン)もまた、大きくゴールの上を越えていくFKを蹴っている。

 それにしても不思議なのは、Jリーグでは、今季はじめからジャブラニを使っていたにもかかわらず、そうした極端な傾向は感じられなかったことである。

 実は、4年前もそうだったのだ。

日本選手はパワー不足ゆえにジャブラニを制御できた!?

 ドイツ大会で登場した「チームガイスト」は、無回転のミドルシュートを頻発させた。日本戦でジュニーニョ・ペルナンブカーノ(ブラジル)が放った強烈な一発などは、その象徴だが、これもまた、ワールドカップではじめて知ったボールの特徴だと言っていい。

 なぜ、こうした現象が起こるのか。

 その理由のひとつには、パワーの違いがあるのではないか、と思っている。非常に軽いジャブラニは、力を加えすぎるとコントロールが難しくなり、チームガイストの場合、無回転を生み出すにはインパクト時にある程度の力が必要だった。つまり、パワーで劣る日本では、その特徴が顕著にならなかったわけだ。

 ボールに伝えるパワーの違いは、キックのスピードとなって表れる。実際、ワールドカップを見ていると、パススピードにおける彼我の差を痛感する。

 ショートパスひとつ取っても、日本では置きにいくようなパスが多いのに対し、世界では受け手にぶつけるかのごとく、パスに強さがある。それでいてボールを浮かすことなく、きれいに芝の上を走らせているのだ。

 図らずも新ボールが示してくれた日本の課題。パスサッカーを目指す日本にとっては、貴重な指摘である。

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