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明るい兆しの見えた初場所。
より問われる土俵上の戦い。
~2013年の相撲界、好スタート!?~ 

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byKYODO

posted2013/02/11 08:00

明るい兆しの見えた初場所。より問われる土俵上の戦い。~2013年の相撲界、好スタート!?~<Number Web> photograph by KYODO

話題は高見盛にさらわれたが、白鵬を破り、横綱としての初優勝を全勝で飾った日馬富士。

 大相撲一年幕開けの初場所で、相撲界のニュースがひさびさにスポーツ紙の一面を飾った。場所七日目、元横綱大鵬の訃報と、十両十二枚目の地位で5勝10敗し、幕下陥落が決定的になった高見盛の引退だ。

 場所前は、次の3つが見所として挙げられていた。先の九州場所で11勝をあげた関脇豪栄道が、続く二桁白星で「大関昇進リーチ」の場所とするか。関脇に陥落した把瑠都がノルマの10勝をあげ、大関復帰できるか。そして新横綱デビューの先場所、9勝という不甲斐ない成績で酷評された日馬富士の調子はいかに。

 終わってみれば、豪栄道、把瑠都ともに千秋楽でやっと勝ち越しを決めるという、期待はずれの成績だった。その一方、日馬富士は千秋楽を待たずに白鵬に2差をつけて優勝を決め、3度目の全勝優勝を果たし、意地を見せつけた。だが、その相撲内容については「横綱相撲とはいえず、余裕がない」との厳しい見方も。

「営業努力」が功を奏したのか、若い観客の姿も。

「1年の相撲界を占う」といわれる初場所だが、土俵上の熱戦ではなく、「昭和の大横綱」と「稀代の人気力士」に話題をさらわれてしまった感がある。

 それでも「満員御礼」の垂れ幕が下がったのは昨年の5度を上回る6度。約1万1000人収容の国技館で、入場者数の1日平均は8183人を数え、前年比300人増だった。相撲協会公式ツイッター、フェイスブックを利用しての若年層へのアピールや、場所直前にちゃんこ鍋を無料配布するPRイベントなど、「営業努力」が功を奏したのだろうか。以前は外国人観光客ばかりが目立っていた2階席に、2100円の当日券自由席や3600円の椅子席を利用した若い観客の姿が多く見受けられた。年末年始は力士たちのテレビバラエティ番組出演も多く、相撲界の存在を示す宣伝効果もあったはず。実際、「これで親近感を持った。チケットもプロレスより安いんですね」との声も耳にした。

 2010年初場所後の朝青龍電撃引退に始まり、数々の不祥事が明るみに出て、客離れが深刻だった相撲界。衰退していた人気に復活の兆しが見え始めたともいえるが、北の湖理事長は、「まだまだ。もっと土俵が面白くないと」と気を引き締める。まずは幸先のよいスタートを切った、とだけは言えそうだ。

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