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7人制女子日本代表が
世界王者・豪州を撃破!
~女子ラグビーの歴史的快挙~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byJRFU(photo by H.Nagaoka)

posted2012/10/04 06:00

7人制女子日本代表が世界王者・豪州を撃破!~女子ラグビーの歴史的快挙~<Number Web> photograph by JRFU(photo by H.Nagaoka)

手を振って歓声に応える女子日本代表。出場を目指す来年の7人制W杯はモスクワで開催。

 世界チャンピオンに勝った!

 金星の報が届いたのは、トップリーグ開幕戦の行なわれた8月31日だった。この日、マレーシアのボルネオで開幕した「アジア・パシフィック女子セブンズ」の初戦で、女子日本代表が14対10でオーストラリアを撃破したのだ。

 オーストラリアといえば、女子部門が初採用された2009年の7人制W杯ドバイ大会で優勝した世界女王だ。その大会に日本はアジア1位で出場しながら1勝もできず、全敗に終わった。今回はオーストラリアが若手中心だったとはいえ、歴史的快挙だ。

「すごく落ち着いてましたね。オーストラリアに勝ってもはしゃぐでもなく、すぐ次の試合に向けて切り替えていた」と浅見敬子ヘッドコーチ。その言葉通り、僅か1時間強のインターバルで行なわれた、アジア最強のカザフスタンとの一戦にも21対5と完勝する。これで勢いに乗った日本女子は、続く2日目もシンガポール、中華台北に圧勝。最終日は準決勝で香港を破り、オーストラリアとの再戦となった決勝こそ17対36で敗れたが、準優勝の好成績を収めた。

バスケに陸上投擲……転向組のパワーが新たな攻守のアクセントに。

 躍進の原動力は、他競技からの転向組だ。主将の中村知春はバスケットボールから転向して1年。陸上投擲から転向わずか半年の片嶋佑果は、大柄なオーストラリアの選手をタックルでひきずり倒す腕力で、これまでの日本になかった攻守のアクセントとなった。そこにCTB鈴木彩香、WTB山口真理恵ら、ユース時代からラグビー経験を積んできた選手がミックスされ「今のチームはバランスが取れている」と浅見コーチは言う。

 隠れた要因が「ロンドン効果」だ。恵まれない競技環境に苦労してきた女子ラグビーだが、五輪採用決定後はNTC(ナショナルトレセン)での合宿が頻繁に組まれ、今夏もロンドン五輪に備える他競技の選手たちと間近に接してきた。

「特に女子の団体競技が印象的でしたよね。なでしこ、バレー……諦めないで、粘り強く戦う日本らしさを見せてくれた。自分たちの合宿中なのに見入ってしまった」と大黒柱の鈴木彩香。

 来年の7人制W杯出場権をかけたアジア地区予選は10月6日、インドで開幕する。今度は、タフ&キュートなラグビー乙女が世界に羽ばたく番だ。

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