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開幕2戦でチャンプ候補!
富沢祥也に注目せよ。
~モト2で快走する19歳~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2010/05/26 06:00

開幕2戦でチャンプ候補!富沢祥也に注目せよ。~モト2で快走する19歳~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

まさしくシンデレラボーイと呼べる活躍で、富沢は各国のメディアから注目を集めている

 開幕戦カタールGPで初優勝。第2戦スペインGPではポールポジションを獲得して決勝2位。WGP2年目、今年はモト2クラスに参戦する富沢祥也が、2戦連続で素晴らしい成績を収め、世界中の注目を集めている。

 250ccクラスにフル参戦を果たした昨年は、10位を最高位に総合17位。数字上では目立つ選手ではなかった。

 その250ccに代わり今年から始まったモト2クラスは、600ccのホンダエンジンとダンロップタイヤのワンメイクで争われる。参加コンストラクターは16社。参加選手は昨年までモトGPクラスに参戦していたT・エリアス、高橋裕紀らを筆頭に、昨年の125ccクラスと250ccクラスのトップランカーがこぞって参戦。エントリーする選手を篩(ふる)いにかけてなお41台が争う盛況ぶりで、結果的にレベルの高いクラスとなった。

 開幕前のテストでは、実績ある選手が予想通りに好タイムを出し、富沢は時々上位に名前を連ねた程度だった。しかし、カタールGPでは5台、第2戦スペインでは9台にふくれあがったトップグループで堂々の優勝争いを繰り広げた。モト2のように重量のあるマシンは、しっかり止めて、向きを変え、マシンを早く起こして加速するというのが速く走らせるための鉄則だが、ここまでの富沢は三拍子揃った見事な走りを見せている。

対等な条件で参戦するや、わずかひと月でヒーローに。

 カタールは「とにかく前に出ようと思った」という無我夢中の勝利だった。自分の転倒で多重クラッシュを招き赤旗中断となったスペインGPは、再スタートできた運の良さに感謝しつつも、「転倒の際にクラッチレバーを半分なくし、振動も出ていた。それがなければ勝てた」と、逃した勝利に悔しさを滲ませた。エンジン性能に差があった250cc時代とは違い、ストレートで対等に走れることで、富沢の才能は存分に発揮されている。

 両親との約束により、学校を休まないことが条件で全日本に参加していた高校時代は、常にぶっつけ本番でレースに挑み、それでも125ccと250ccクラスで総合2位という成績を残した。グランプリに来て初めて、ライバルと同じ時間、練習することができた。さらに今年はバイクもほぼ同じ条件となり、わずかひと月でヒーローとなった。進化を続ける19歳。この勢いはどこまで続くだろうか。

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