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まだ18歳。
中上貴晶は必ず世界に返り咲く。
~1年後のモト2参戦目指す!~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2010/04/25 08:00

まだ18歳。中上貴晶は必ず世界に返り咲く。~1年後のモト2参戦目指す!~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

男らしい顔つきになって全日本に復帰した中上だが、勝利の瞬間は涙を堪えきれなかった

 世界グランプリで思うような成績を残せず、今季から全日本に復帰してST600クラスにエントリーする中上貴晶が、筑波で行なわれた開幕戦で優勝した。このクラスは、今年の全日本では一番の激戦区。それだけに中上の開幕戦の快走は、大きな注目を集めた。

 中上は、ポケバイをやっているころから、故加藤大治郎選手をしのぐ逸材といわれた。その期待に応えるように、中学3年生のときには、全日本125ccクラスで全戦全勝を達成、史上最年少記録でチャンピオンに輝いた。この年には、WGPを運営するドルナのスカラシップ、モトGPアカデミー生にも抜擢されてスペイン選手権に参戦。その後、順調にステップアップし、16歳でWGP125ccクラスにフル参戦を果たした。

 しかし、成長期だったことがライディングに悪影響を及ぼした。急激に身長が伸びたことで125ccは身体に合わなくなったのだ。さらに、思うようなバイクも仕上がらず、力を発揮できなかった。その理由のひとつは、外国人と上手くコミュニケーションが取れなかったところにある。自分の言うことを信じてもらえない悔しさ。トラブルも多くフラストレーションがたまった。結局、海外に挑戦した4年間で表彰台に立ったのは、'07年のスペイン選手権での一度だけだった。

まずは全日本を制覇し、ふたたび世界の舞台WGPへ!

 だが、日本に戻り、古巣のスタッフとレースを始めた途端、表情も走りも活き活きし始めた。今回の優勝は、中学3年生の全日本以来、実に4年ぶりだ。

「世界グランプリで満足のいくリザルトを残せなかったので、今日の優勝は、心の底から嬉しかった。もう一度、グランプリに挑戦したい。そのためには、行かせてもらえるような走りを見せ、成績を残さなくてはいけない。ST600を選んだのは、モト2クラスに参戦するため。目標は、当然、タイトル獲得。1年後にはグランプリに復帰していたい」

 これまで、WGPでシートを失い、レギュラーとして復帰を果たした日本人選手は皆無だが、中上の開幕戦勝利は「もう一度行かせたい」と思わせるに十分なものだった。挫折を経験しても、まだ18歳である。少し気は早いかも知れないが、中上の2度目の全日本チャンピオンの先にあるのは、間違いなく、2度目の世界挑戦となりそうだ。

■関連コラム► 期待の星、中上貴晶のほろにがGPデビュー。 (08/04/03)

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