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76ersの快進撃を支えた、
もう一人の“AI”。
~イグオダラ、守備のエースとして~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2012/06/11 06:00

76ersの快進撃を支えた、もう一人の“AI”。~イグオダラ、守備のエースとして~<Number Web> photograph by Getty Images

 今も昔も、フィラデルフィアでAIと言えば、アレン・アイバーソンのことだ。先日、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのホームゲームに姿を現したときの熱狂的な喝采が、今も変わらぬ人気を示していた。

 しかし、アイバーソンが試合を客席から見るだけだったのに対し、コート上にはもう一人、AIがいた。アイバーソンがシクサーズを離れて以来チームを支えてきたアンドレ・イグオダラだ。アイバーソンとチームメイトだった時期もあり「もう一人のAI」と呼ばれていた。

アイバーソン時代のシクサーズとは違うやり方で。

 名前のイニシャルこそ同じだが、イグオダラはアイバーソンとはまったくタイプの違う選手だ。アイバーソンがオフェンスのエースなら、イグオダラはディフェンスのエース。アイバーソンのように自由自在に点を取ることはできないが、相手チームのエースを封じ込めることはできる。アイバーソン時代のシクサーズがワンマンチームだったのに対し、今のシクサーズは全員バスケのチームなのも、イグオダラのカラーを反映していた。「自分がこのチームのエースだと思っている。前にいた人たちとは違うやり方でやっているだけだ」とイグオダラは言う。

 しかしファンからすると、オフェンスでの頼りなさが不満なようだ。そのため、地元ファンから喝采よりもブーイングを受けることのほうが多く、頻繁にトレードの噂に名前があげられていた。

辛口のフィラデルフィア記者からも称賛の言葉が送られたが……。

 そんなイグオダラが、今プレイオフでは勝負どころでシュートを決めた。対シカゴ・ブルズ第6戦では、残り2.2秒で苦手のフリースローを2本きっちり決めて逆転、1回戦勝ち抜きを決めた。カンファレンス準決勝第4戦では、終盤の勝負どころでシュートを3本決めて、ボストン・セルティックスとのシリーズを2勝2敗とした。その活躍に、辛口のフィラデルフィア記者からも称賛の言葉が送られたほどだった。

 もっとも、それですべてがめでたしといかないのが、この世界の厳しいところだ。シーズンが終わるとすぐにトレードの噂が再浮上。活躍して株があがった今だからこそトレードに出すべきだという声も多いのだから、皮肉なものだ。

「噂はいつもだから気にならない」とイグオダラは言う。「今の目標は1回の成功で満足せず、さらに前に進むことだ」

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