野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
日本一諦めきれない男の人生──。
古木克明は今もオファーを待っている。
text by

村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKatsuaki Furuki
posted2012/05/03 08:02

日々自らの身体に鞭打つようにして激しいトレーニングを続けている古木克明。古木ファンならば……ツイッターの@furukiktakとフェイスブックをチェックすべし!
「7月31日までには連絡が来ると信じています」
「状況は何も変わっていません。クラブチームやデーブ(大久保)さんの野球塾で練習をさせてもらいながら、プロ球団から連絡が来るのを待っている状態です。可能性が低い……限りなくゼロに近いことはわかるんですけど、去年の中村ノリさんの例もありますからね。
いろんな人に海外や独立でやれば? と言われるんですけど、入団してしまったらシーズン中にケガや外国人の不調で『左打者が欲しい』という球団が出てきた時にすぐに応じられないデメリットもありますからね。自分は自分のやり方で、(支配下登録期限の)7月31日までは連絡が来ると信じて、呼ばれたらすぐに野球ができる体をキープしつつ、連絡を待つことにしたんです」
格闘用から野球用の体に戻ったとはいえ、相変わらず惚れ惚れするような肉体である。そのうえ、しっかりとした口ぶり。表情も暗くない。昔みたいに目も泳いでいない。意外……といったら失礼かもしれないが、びっくりした。
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古木に会うまでははっきり言って恐ろしかった。昨秋、あれだけハデに球界復帰をぶち上げ、テレビで特集を組まれるほど世間から注目を集めた分、決まらなかった時の精神的なリバウンドは推して知るべし。
過去の例に倣えば、心がバキバキに折れた挙句「小路晃さん(格闘技の師匠)とデーブさん(野球の師匠)に習ってつけ麺屋をはじめようと思っているんです」なんて言い出してもおかしくない――と戦々恐々としていたところでの、この正気。プロ野球界復帰が伊達や酔狂でないということの証であろう。当たり前だけど。
幾たび心が折れようとも「絶対に諦めません!」。
「何度か折れましたけどね。最たるものでは2月1日を越えた時は完全に折れました。トライアウトが終わってから、ある球団が獲得するという噂を聞いては期待して、結局連絡がなくてダメだと折れかけて、また頑張ろうと持ち直して、やっぱダメだと折れかけて持ち直して……その連続だったんですよ。なんとか『キャンプインまで』と精神的に踏ん張ってきたので、そこで何も連絡がなかった時は改めて完全に折れました。
ただキツかったですけど、“野球を辞めよう”という考えはありませんでした。厳しい道になることは最初からわかっていたこと。それが一度のトライアウトで決まらないから諦めるって、そんな覚悟で復帰を決めていませんよ。0.000何%か知らないですけど、諦めなければ可能性は消えない。だから、絶対に諦めません!」