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2連覇を狙うホンダは
開幕戦でなぜ敗れたか。
~今季のモトGPを展望する~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2012/04/23 06:00

昨年と同じく、3人だけが異次元の速さだった開幕戦。彼らを脅かすライダーは現れるか。

昨年と同じく、3人だけが異次元の速さだった開幕戦。彼らを脅かすライダーは現れるか。

 WGP開幕戦カタールGPが、4月8日、ドーハ郊外のロサイル・インターナショナル・サーキットで開催された。優勝したのはヤマハのエース、J・ロレンソで、2位D・ペドロサ、3位C・ストーナーと、ホンダ・ワークスのライバル2人を抑えての勝利だった。

 表彰台に立った3選手が、別世界の速さで優勝争いを繰り広げたのは去年と同じだが、今年は順位が違う。

 BSタイヤの1社供給時代になってからのモトGPクラスは、タイヤのパフォーマンスをいかに引き出せるかの戦いになっている。昨年は、タイヤに合わせてマシンのバランスを大きく変えたというホンダ勢が好調で、ストーナーの速さが際立った。だが今年は、ホンダがマシンのセットアップに苦労し、対照的にヤマハの仕上がりが順調なため、3選手のタイムが接近した。

 2連覇に向けて厳しいスタートになったホンダを率いる中本修平HRC副社長は、開幕戦の結果をこう分析した。

バイクのバランスを極限まで突き詰めたことが災いしたホンダ。

「今年は厳しいシーズンになると思っていたが、その通りの結果になった。うちは去年よりも遅く、ヤマハさんは確実に前進した。去年の今頃は正直、負ける気がしなかったが、今年はそんな自信はどこにもない」

 今年のレギュレーションでは、エンジンの排気量が800ccから1000ccへと引き上げられ、マシンの最低重量が150kgから153kgとなった。これにはホンダもヤマハも問題なく対応したが、最低重量がさらに157kgへ変更されたことがホンダの計算を狂わせた。

 もとよりホンダは、カウルの塗料の重さまで計算する徹底したマシン作りを行なってきた。レギュレーション変更はどのメーカーにも影響を及ぼすが、ホンダの場合バイクのバランスを極限まで突き詰めたことが災いし、セットアップの大きな見直しが必要となったのだ。

 もっとも、優勝したヤマハも決して順調とはいえない。現にロレンソの優勝タイムは去年とほとんど変わらなかった。ホンダの苦戦で差は縮まり、現状ではややリードという状態になっているだけという見方も出来る。

 初戦の表彰台に立った3選手がチャンピオン争いをリードすることは確実。今年もホンダ対ヤマハの戦いとなりそうだ。

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