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スペイン勢3人目の逸材、
驚速のマルケスに注目。
~将来は最高峰モトGP王者へ~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2012/05/30 06:01

スペイン勢3人目の逸材、驚速のマルケスに注目。~将来は最高峰モトGP王者へ~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 モト2はいまグランプリでもっとも激戦が展開されるカテゴリーだ。マシンはホンダの600ccのエンジンを搭載し、タイヤはダンロップの1社供給。エンジンとタイヤが同じ条件のため、予選はPPから1秒差以内に15台前後の大接戦となることが多く、決勝でも最終ラップまで5台前後の集団が優勝争いをすることが珍しくない。

 そんな激戦区で、モト2参戦2年目、19歳のマルケスが才能を見せつけている。開幕戦カタールGPでは5台による優勝争いを制した。第2戦スペインGPでは、降雨による赤旗中断(レース成立)のため勝機を逃し2位だったが、翌週の第3戦ポルトガルGPでは、ライバル、エスパルガロとの一騎打ちに勝っての優勝。

 傍目にはギリギリのところで勝利を手にしているように見える。だが実際のレース運びは計算ずくだ。中盤まではトップ集団の中で様子を見てタイヤの摩耗をセーブし、終盤になると一気にペースを上げてライバルを突き放す。

 混戦の中からスルスルっと抜けていくスピードは、マルケスだけが違うエンジンを搭載しているのではないかと言われるほどだ。その速さの秘密は最高速が伸びるギヤ比にあるのだが、特殊な仕様を使いこなすにはコーナリングスピードの速さが必要で、それを可能にするのは類い希なセンスだ。

D・ペドロサの後継者として、来季のレプソル・ホンダ入りも噂に。

 マルケスは'08年に15歳で125ccクラスにデビューし、'10年にはシーズン最多タイとなる12回のPPを記録。10勝を挙げてスペイン人史上最年少の17歳で世界チャンピオンに輝いた。モト2クラスに挑戦した昨年も、シーズン7勝を挙げてチャンピオン獲得に王手を掛けたものの、シーズン終盤戦のマレーシアGPで右目を負傷し、王座を逃した。視力障害でライダー生命が危惧されたが、今年の開幕直前に完全復帰。ほとんどテストをしない状態で、開幕戦から快走を披露して周囲を驚かせた。

 バルセロナにほど近いセルベラ出身。尊敬するライダーとして常々名を挙げるD・ペドロサの後継者として、来季のレプソル・ホンダ入りも噂に上るようになった。将来は最高峰モトGPクラスチャンピオンの期待がかかる。モト2の戦いはまだ序盤だが、今季のチャンピオン獲得は「もはや当然」の逸材である。

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