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なりふり構わぬ元王者。
今季の逆襲はなるか。
~復活を期すロッシとドゥカティ~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2012/03/03 08:00

なりふり構わぬ元王者。今季の逆襲はなるか。~復活を期すロッシとドゥカティ~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

夢のパッケージで今シーズンに挑むロッシとドゥカティ。進退を懸け戦うシーズンとなる

 1月31日から2月2日まで、マレーシア・セパンサーキットで今季初のモトGP合同テストが行なわれた。トップタイムを刻んだのは2連覇を目指すC・ストーナー。2番手に2年ぶりのタイトル奪還を狙うJ・ロレンソが続き、以下D・ペドロサ、B・スピースと、ホンダとヤマハの両ワークスが順当に上位を独占した。5番手には昨季どん底を味わったV・ロッシが滑り込み、復活に向けてまずまずのスタートを切った。

 去年のロッシはシーズン前半のフランスGPで3位表彰台に立っただけで、125ccクラスでGPデビューした'96年の表彰台2回に及ばなかった。'03年からモトGPに参戦しているドゥカティにとっても、'04年以来2度目となる優勝がない低調なシーズンだった。

 ロッシのドゥカティ移籍は、イタリア人にとっては待ちに待った朗報だった。'10年にヤマハで最後のレースを終えた後のドゥカティ初テストは、その模様がイタリア、スペインでライブ中継されるほど注目を集めた。125ccと250ccはアプリリア、500ccとモトGPでは、ホンダ、ヤマハを乗り継ぎ、チャンピオンを獲り続けたロッシが、母国メーカーのドゥカティで勝つ日を誰もが夢見た。

アイデンティティを捨ててまで大改造を断行したドゥカティ。

 しかし、'11年シーズンが始まっても車体のセットアップが決まらず、低迷が続いた。崖っぷちに追い込まれたドゥカティは、今季、日本勢と同様のアルミフレームを持つニューマシンを投入。その車体に合わせてエンジンも作り直すという大改造を断行した。これまでのドゥカティは鋼管フレームやカーボンフレームなど独自の車体で戦ってきたが、今季は長年のバイク作りのアイデンティティを捨てた格好だ。ドゥカティをそこまで追い込んだロッシもまた、ライダーとして正念場を迎えているだけに、復活に懸ける意気込みは並々ならぬものがある。

「ホンダとヤマハは僕より速かったが、良いタイムが出たし、これが出発点だと思う。とにかくコントロール出来るバイクになったことが最大の改良点。開幕までまだ時間があるし、これからだね」

 トップとは、1.217秒差。電子制御が駆使される現在のモトGPマシンでは厳しいタイム差である。ロッシとドゥカティはどこまで戦闘力を高められるか。2回目のテストに世界中が注目している。

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