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新種目のフィギュア団体、
選手層の薄いペアに難題。
~ソチ五輪での勝算は?~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byTsutomu Takasu

posted2012/02/08 06:00

日本唯一のペアで、今季GPファイナル初進出の高橋・トラン組の動向が団体戦を左右する

日本唯一のペアで、今季GPファイナル初進出の高橋・トラン組の動向が団体戦を左右する

 国際スケート連盟は、2014年のソチ五輪で採用されるフィギュアスケート団体戦の概要を公表した。

 それによると、チームはシングル男女各1名、ペアとアイスダンス各1組で編成される。オリンピックに参加できるのは10カ国。'13年の世界選手権や'13-'14年シーズンのグランプリシリーズ(GP)など、それぞれのシーズンの各種目でもっともよい成績を残した選手(組)の合計ポイントで出場権が決定する。

 オリンピックでは、まずショートプログラム(アイスダンスはショートダンス)を実施。1位に10ポイント、2位9ポイント……10位に1ポイントを与え、総合ポイント上位5カ国がフリー(フリーダンス)に進む。フリーでも順位に応じてポイントを与え、ショートとの総合ポイントで最終順位が決まることになる。

 団体戦の採用が浮上した一昨年は、「日本にとってメダル獲得の機会が増える」と歓迎する向きもあった。だが、ガイドラインが定められたところであらためて考えると、メダルは容易ではないことがわかる。シングルの男女は十分世界のトップクラスにいる一方で、アイスダンスとペアが課題になるからだ。

ペアとアイスダンス普及の機会をうまく活かせるか?

 アイスダンスはキャシー・リードとクリス・リード組が'06-'07年シーズンから日本代表として国際大会に出場してきたが、オリンピックや世界選手権は二桁の順位で、上位と差があるのが実状だ。

 ペアの高橋成美とマーヴィン・トラン組は昨年のGPファイナルで6位になるなど力をつけているが、トランがカナダ国籍であることから、オリンピックは出場できない。ここ4年間の全日本選手権の出場数は、アイスダンスが多くて3組、ペアは高橋・トラン組のみと選手層もきわめて薄い。トランは、「(国籍変更は)今シーズン終了後に考える」と言うが、彼の意向次第では、ペアはオリンピックにエントリーできない可能性もある。

 実はオリンピックの団体戦は、4種目中3種目の参加でもよいことになっているが、3種目でメダルというのは難しい。団体戦にもかかわらずエントリーしない種目が出てくるのも寂しいものだ。

 ソチまで時間は残されていないが、シングルに比べて日本では注目度の低かった両種目の普及の機会でもある。強化をどう進めるか、重要になる。

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