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モトGPで発揮される、
青山博一の潜在能力。
~ホンダ浮沈の鍵を握る男~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2010/03/31 06:00

モトGPで発揮される、青山博一の潜在能力。~ホンダ浮沈の鍵を握る男~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

テストを重ねるごとにじわり順位を上げていく青山。何事も一歩ずつの彼らしいやり方だ

 昨年の250ccチャンピオンで、今季モトGPクラスにスイッチする青山博一が、早くもホンダ勢の鍵を握る選手に進化を遂げた。

 今季初テストとなった2月のマレーシアでは、ニューマシンのセットアップに苦しんで14番手だったが、同地の2回目のテストではセッティングを進めて総合9番手につけた。ホンダ勢6台の中では、ワークスチームのA・ドビツィオーゾとD・ペドロサに僅差で続く3番手。タイムと順位を着実に上げるばかりでなく、新車投入で全体的に低迷するホンダ勢の中で青山の走りは注目を集めた。

試行錯誤のセットアップにも見事に対応してタイムを短縮。

 今季、ホンダのマシンは、モトGPクラスに参戦するメーカーの中でもっとも大きく変わった。これまでホンダは、サスペンションメーカーのショーワと密接なパートナーシップを結んできた。2010年型の開発もショーワを装着して行なわれてきたが、ショーワのモトGPクラスからの撤退により、ライバルメーカーのオーリンズに変更された。マシンがフルモデルチェンジされた場合、往々にして走り出しでつまずくことは多い。2010年型もサスペンションが変わったことで、セットアップがイチからのスタートになってしまった。

「最初は接地感のなさに苦しんだが、グリップを上げていく方法を見つけた。しかし、グリップを上げていくと今度は、ハンドリングが極端に重くなる。そのバランスをどこで取るかが難しい。このバイクの特性なのか、それとも、モトGPマシン全体の特性なのか。いまの自分の経験からは判断できないが、1mm単位の変更でびっくりするくらい大きく変化する。いまはまだ、こうしたセッティングの変更による違いを確かめている段階。2回目のテストとしては順位は悪くないけれど、ベストタイムもアベレージもロッシに比べたら1秒も遅いので、その差を縮めたい」

 ベテラン勢が苦悩する状況なのに、冷静沈着にマシンの状態を分析し、セットアップを着々と進める。ライダースキルの高さを証明するばかりでなく、王者V・ロッシを引き合いに出し、気持ちで負けていないという点でも新人離れしている。何もかもが期待以上である。あとは、ホンダのニューマシンが仕上がるのを待つばかりだ。

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