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早くもトップタイム。
今年も強いヤマハ+ロッシ。
~新エンジンのシーズンを占う~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2010/02/26 06:00

早くもトップタイム。今年も強いヤマハ+ロッシ。~新エンジンのシーズンを占う~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

31歳になったロッシ。もはや充分にベテランの域だが、いまだ最速の座を譲る気配はない

 テスト禁止期間を終えたモトGPの合同テストが、2月上旬、マレーシアのセパンで始まった。

 これまで合同テストは3日間で行なわれていたが、今年から経費削減のために2日間に短縮された。18戦が開催される今年は、使えるエンジンもシーズン6基に制限される。そのために今季初テストとなったセパンでは、どの陣営も、耐久性を上げながら、これまでのパフォーマンスをキープ、もしくはそれ以上というニューエンジンを投入した。

 この性能を達成するための初期投資で各メーカーのコストは一時的に増大するが、シーズンを通してみれば、製造するエンジンの数が大幅に減るため、結果的にコスト削減につながる。

ローリスクの改良を選択したヤマハ勢が上位タイムを独占。

 いずれにしても、新ルールの実施に合わせて、各陣営が持ち込んだニューマシンがどんな走りをするのかに大きな注目が集まった。その結果は上々で、ディフェンディングチャンピオンのヤマハを筆頭に、ホンダ、スズキ、ドゥカティとも、エンジンの耐久性に制約がなく、走行時間が長かった昨年よりタイムは向上していた。中でも、外観上もっとも変更点が少ないヤマハ勢の好走が目立った。

 2日間のテストを終えてV・ロッシがトップタイム。宿命のライバルとなったチームメートのJ・ロレンソなどヤマハ勢4台がすべて上位に名前を連ねた。特筆すべきは、王者ロッシの圧倒的な速さで、2年連続でタイトルを獲得したYZR-M1のベースの良さを生かし、ピンポイントで改良を施した2010年型の仕上がりの良さを感じさせていた。

ホンダ、ドゥカティは大幅変更のマシンで最速ロッシを猛追。

 こういう変化の少ない変更は、大幅な伸びしろが期待できない代わりに失敗も少ない。技術者としては物足りないものだが、テスト日数が少ない現状のルールでは賢明な選択となる。対照的にタイトル奪還に燃えるホンダは車体をメーンに、ドゥカティはエンジンを中心に大幅な変更を実施、追う側と追われる側の立場の違いも鮮明だった。

「まだテストは始まったばかり。他もペースを上げてくるはず」と慎重なロッシ。確かに、これからどう変化していくのか予想はつかないが、今季最初のテストは、石橋を叩いたヤマハとロッシが大きくリードした。10個目のタイトル獲得が早くも、現実味を帯びてきた印象だった。

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