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スポーツ総合コラム
クライマックスシリーズ第1戦が日本での最後の投球となるのだろうか
photograph by Hideki Sugiyama
スポーツ・インサイドアウト

ダルビッシュと3年目の壁。
~早期メジャー移籍を望む理由~

芝山幹郎 = 文

text by Mikio Shibayama

photograph by Hideki Sugiyama

 フー・イズ・ユー? とたずねられて、文法がまちがってるよ、と真顔で返してくるアメリカ人はまだいるのだろうか。

 野球好きの間にはもういない、というのが私の推測である。

 ダルビッシュ有の名前は、アメリカでもかなり知られてきた。当然だろう。スポーツ・イラストレイテッドやスポーティング・ニューズなどでも彼の名は頻繁に見かけるようになったし、NPB TRACKERというサイトを開けば、日本のスポーツ新聞に劣らぬほどの情報も書き込まれている。

 そのNPB TRACKERで、ダルビッシュ有の父親ファルサさんが「息子の大リーグ行きの確率は50/50」と発言して話題を呼んでいる。私などは、え、70/30じゃないのかと反応してしまったが、現状のポスティング・システムは、選手が球団を選べない点が大きなネックになっているようだ。なるほどファルサさんがいうとおり、高い金額を提示した上位3球団が交渉権を得られる方式にでも変われば、選手側の選択肢がずいぶん広がることは事実だろう。

絶頂期にいるダルビッシュの懸念材料は、投球数の多さ。

 ただ、私などは、ダルビッシュが大リーグで投げる姿を一日でも早く見たい。着るユニフォームは(少しは気にするが)あまり問わない。1986年8月16日生まれの彼は、現在25歳だ。ちょうどいい年ごろ、という意見もあるだろうが、日本に残留すればどうしても投球回数が増える。実際の話、2011年のダルビッシュは、デビュー以来の7年間で最多の232イニングスを投げている。

 もちろん、'11年の成績はキャリア・ハイだった。18勝6敗、防御率=1.44、完封=6試合、奪三振=276は、どれをとってもこの7年間で最高の数字である。与四球36も自己最少。これで沢村賞をもらえなかったのは田中将大の成績(防御率=1.27、完封=6試合)が驚くほどめざましかったからだが、それはまた別の話になる。

 一方で私が懸念しているのは、1試合あたりの投球数が依然として多いことだ。

 '10年、ダルビッシュは140球以上投げた試合が年間に9度もあった。'11年になると、140球以上の試合は1度だけに減少したが、120球以上投げた試合が15度もある。

<次ページへ続く>

【次ページ】 MLBで流布する「日本人投手3年目の壁」説の根拠とは?

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