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スペインとスウェーデンを連破!
カペッロ率いるイングランドは本物か? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2011/11/24 10:30

スペインとスウェーデンを連破!カペッロ率いるイングランドは本物か?<Number Web> photograph by AFLO

スペイン戦で、ベントのシュートのこぼれ玉に反応して決勝点を奪ったランパード。代表では絶対的な存在ではないが、チームにとっていまだ強力な武器であり続けている

 シーズン中に行われるナショナルチームのフレンドリー(親善試合)は、その開催意義が疑問視されることが多い。だが、11月にウェンブリー・スタジアムで行われた2試合は、イングランド代表にとって有益だった。

 12日には、スペインから10年ぶりの勝利(1-0)。ホームで現役世界王者を下したのは、1980年のアルゼンチン戦以来だ。続く15日には、記念すべき代表通算2000ゴール目が勝敗を分け(1-0)、対スウェーデンの不名誉な「無勝」期間に43年で終止符が打たれた。失敗に終わった昨年のW杯後、グループ首位で通過を決めたEURO2012予選中にも、ブーイングが聞かれたウェンブリーだったが、スペイン戦とスウェーデン戦で価値ある勝利に立ち会ったイングランド・サポーターは、ピッチを去る代表選手たちを笑顔と拍手で見送った。

親善試合は来夏のEURO開幕に向けたオーディション!?

 もちろん、フレンドリーの結果に大きな意味がないことは、2試合目を終えて「43年ぶりのスウェーデン戦勝利は喜ばしいが、全ては統計の世界でのことだ」と語った、ファビオ・カペッロ代表監督も認識している。本当の意義は、指揮官いわく「探し求めていた新たな要素が見つかった」こと。強敵と難敵との2試合は、来夏のEURO開幕に向けたオーディションの舞台として活用された。

 代表的な例が2試合に先発したフィル・ジョーンズ(マンU)だ。クラブでは基本的にDFだが、カペッロは、今季のプレミアリーグで売出し中の19歳を中盤で試した。

 スペイン戦では、正ボランチのスコット・パーカー(トッテナム)をサポートし続け、スウェーデン戦では自身が最終ラインの盾となったジョーンズに対し、イタリア人監督は同邦の名スウィーパー、フランコ・バレージの名を比較に持ち出すほどの入れ込み様。バレージの域に達するには、DFとしてもMFとしても道程は長いが、南アで力不足を露呈したギャレス・バリー(マンC)を、身体能力で上回るバックアッパー候補が誕生したことは事実だ。

スペイン戦で有効性が確認された4-5-1システム。

 スペイン戦での守り勝ちは、ホームゲームとしては消極的だったと否定的に捉えることもできる。しかし、真っ向勝負を挑んで主導権を奪える相手ではないのだから、退いて守ってカウンターを狙う策は理に適っていた。チームとして戦前のプランを遂行できる能力を示したことにより、4-5-1システムは実用的なオプションとしてオーディションに合格したと言える。

 終盤にセスク・ファブレガスのシュートを止めたジョー・ハート(マンC)に対するメディアの評価は、交代で相手ゴールを守った、欧州屈指のイケル・カシージャスと、プレミア随一のペペ・レイナ(リバプール)を上回った。昨夏のW杯をベンチで過ごしたハートは、正GKとしてEURO予選8試合を5失点のみの無敗で乗り切る成長を見せた。

【次ページ】 故障続きのジェラードに代わる第3の男、ロドウェル。

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