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コース評価の高かった
初開催のインドGP。
~ブッダサーキットの完成度~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byGetty Images

posted2011/11/11 06:01

コース評価の高かった初開催のインドGP。~ブッダサーキットの完成度~<Number Web> photograph by Getty Images

全長5.125kmの起伏に富んだコース。初代ウィナーはベッテルで、今季11勝目を挙げた

 インディラ・ガンジー空港に着くと、あちこちでインドGPのキャンペーンが行なわれていた。事前まで初開催にともなうさまざまな問題が指摘され、混乱も予想されていたが、この“ウェルカムムード”にはちょっと驚いた。

 新設されたブッダサーキットはニューデリーの南東50kmの郊外にある。あたりにまだ建物はなく、今後スポーツ施設やイベント会場などが開発・整備されていく計画だ。つまり今は“土漠地帯”のなかに忽然とF1サーキットだけが現れる。

 殺風景ではあっても、施設は昨年初開催の韓国よりはるかにいい。実際にコースを見て回ると、最速320kmに達する2本のストレートと16のコーナーがあり、そのミックスバランスが単調ではなく難易度が高い設定になっていた。高低差をつけ、コーナー入り口は広いが出口は狭く、ブラインドコーナーもある。しかし安全性は配慮され、最も高速の10~11連続コーナーには安全地帯がイン側とアウト側にあった。どちらにも逃げ場を用意してあるのはめずらしく、フリー走行で何台かスピンしても事なきを得ていた。

10万の観衆を集めた第1回GPは、ベッテルの完全優勝。

「チャレンジングなコース!」とはS・ベッテルの第一印象。ドライバーにとってはプッシュできるがミスも犯しやすく、アタック限界点をセルフコントロールしなければならない。正確無比なプッシュ&コントロールが求められるブッダには、スパ、シルバーストーン、鈴鹿、イスタンブールパークなどに通じる部分がある。

 およそ10万の観衆を集めた第1回インドGPの覇者は、2冠王を決めたばかりのベッテル。選手権争いから解放され、思う存分すべてのスピードをぶつけたスピードスターは、PPウィンと最速ラップ、全周回トップという完全試合を決めた。2位はJ・バトンで、予選でカーバランスを崩したものの、彼の持ち味がレースペースで発揮され、ピットストップのたびベッテルに迫った。そしてF・アロンソがしてやったりの3位表彰台。現在のフェラーリの戦力でベッテルとバトンに食い下がるレースは彼にしかできまい。

 母国GPでフォースインディアが入賞し、HRTから復帰した地元N・カーティケヤンも力走で声援に応えた。インディカーとモトGPで起きた悲劇の後だけに、F1関係者にとってもナーバスだったインドの週末は、無事幕を閉じた。

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