NumberEYESBACK NUMBER

史上7頭目の3冠馬へ、
オルフェーヴルの充実。
~偉業達成にスキはないのか?~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byYuji Takahashi

posted2011/10/22 08:00

史上7頭目の3冠馬へ、オルフェーヴルの充実。~偉業達成にスキはないのか?~<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

神戸新聞杯を圧勝。兄ドリームジャーニーとの兄弟制覇となった

 日本の競馬史上に名を刻んだ3冠馬は、1941年のセントライトから'05年のディープインパクトまで、僅かに6頭しか存在しない。皐月賞とダービーを図抜けた素質と勢いで制すことができたとしても、最終関門の菊花賞(芝3000m、GI)の前には「夏を無事に越す」という何気ないハードルが置かれていて、それが決して易しくない。幾多の名馬たちが挫折を繰り返してきた歴史がそのことを証明している。

 今春はオルフェーヴル(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎、父ステイゴールド)が、皐月賞トライアルのスプリングSを一気に差し切った勢いに加速をつけて、そのまま2冠馬に輝いた。しかしこの馬、デビュー勝ちを飾りはしたものの、その直後には苦い敗戦を4回も続けてしまった過去を持っている。その時点では、いまの姿を想像することなど誰にもできなかったはずだ。

夏を越し、さらに強さを増したオルフェーヴル。

 9月25日、オルフェーヴルは秋初戦の神戸新聞杯(芝2400m、GII)に姿を見せた。父ステイゴールド譲りの、牡馬としては物足りなくも思える小ぶりな馬体は、夏休みを兼ねたノーザンファームしがらきへの放牧の効果で、明らかに幅を増していた。管理する池江泰寿調教師は「逞しくなったのはいいと思ったんですが、追い切りでは春ほど動けなくなっているようにも感じました。もしかしたら許容範囲以上に太めを残してしまったのかなという不安もありました」と振り返る。

 しかしそれはまさに杞憂だった。プラス16kg、デビュー以来最高の460kgという馬体重だったが、上がり3ハロン32秒8という強烈な末脚で圧勝したのだ。2着はダービーと同じウインバリアシオン。その着差を1馬身3/4から2馬身半に広げたこともあり、いよいよ3冠馬誕生の期待が高まってきたのも当然と言える。

 手綱を取る池添謙一騎手は、プレッシャーが重くのしかかっているはずだが、すっかり覚悟を固めたようだ。神戸新聞杯の優勝インタビューのお立ち台の上で「強いオルフェーヴルは夏を越してさらに強くなっています。3冠馬誕生の瞬間を、是非生で観戦に来てください」と、この23日に京都競馬場で行なわれる大勝負を自ら盛り上げていた。

【次ページ】 ウインバリアシオンの安藤勝己騎手に勝算は?

<< BACK 1 2 NEXT >>
1/2ページ
関連キーワード
オルフェーヴル
ウインバリアシオン
池添謙一
安藤勝己
菊花賞

ページトップ