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ファン人気もバルサがレアルを圧倒!?
スペインの人気調査がついに逆転。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2011/10/19 10:30

ファン人気もバルサがレアルを圧倒!?スペインの人気調査がついに逆転。<Number Web> photograph by Getty Images

世界一の選手メッシ、世界一美しいとされるサッカー戦術を持つグアルディオラ監督。さらに、生え抜きの選手を重用する地元愛……など人気の要素に隙がないバルセロナ

バルサとマドリーの人気は強さによって上下が変わる。

 バルサとマドリーの全国的な人気は相対的で、少なくともここ20年ばかりは、シーソーのように上下している。片方が上がれば、片方が下がるのだ。

 それを踏まえると、今回バルサの人気が高まったワケにはすぐに思い当たる。

 何より、強いから。そして魅力的な選手が揃っているから。

 全くの不人気だった'02年を振り返ると、弱いバルサを尻目に、マドリーはスターを集めて銀河系選抜を形成し始めていた。その後、一世を風靡したロナウジーニョがバルサの地位を高めたため、'07年の調査では、両者の差が小さくなっていた。

 いまのバルサはどうかといえば、毎年トロフィーを掲げている。世界最高の選手メッシがいる。スペイン代表が選手・スタイルの両面でバルサ色に染まっている。カンテラの選手を大事にするところも一般的に好感がもたれている(ローカル色が極めて強いアスレティックの人気が高いのはそのせいだ)。

 反対に、マドリーの天下が終わったのは、優勝できないから。クリスティアーノ・ロナウドがいろいろな意味でメッシに負けているから。代表での影が薄いから。カンテラ育ちの選手を使わないから――。

 どれもコインの裏表だ。

傲岸不遜なモウリーニョもマドリー人気低下の要因に。

 加えて、今回の調査に関しては、誰もが認める素晴らしいサッカーがバルサの人気を高めたと言えるだろう。バルサが真に全国区となったドリームチーム時代も、結果だけでなくプレースタイルが訴求力となっていた。

 もうひとつバルサに吹いた追い風の要因は、モウリーニョの存在である。

 傲慢と受け止められる彼の言動や振る舞いがグアルディオラの誠実さを引き立て、ひいてはバルサの印象を良化した。今回のアンケートで、「スペインサッカー史上最高の監督は?」に対する回答は、1位がグアルディオラとスペイン代表のデルボスケで25%。モウリーニョは5位で4%。「あなたが一番好きな監督は?」への回答でも1位はグアルディオラで38%。モウリーニョは2位ながら半分以下の14%である。

 チームを代表して毎週末マイクの前に座る監督の態度は、チームの印象を左右する。イメージの重要さを理解しているはずの企業家ペレス会長はいつまで黙っているだろうか。

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