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「メークミルミル」のヤクルトが、
今年こそ「タフマン野球」でセを制す!? 

text by

村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byHideki Sugiyama

posted2011/09/06 13:15

「メークミルミル」のヤクルトが、今年こそ「タフマン野球」でセを制す!?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

6月4日の「タフマンDAY」、宮本は2安打と活躍。ヘルメットに見える特徴的なロゴマークは、「地球の内部から湧き上がるような強烈なエネルギーを視覚化したもの」だという

まずはヤクルト公式HPで「タフマン」の定義を確認。

 前のくだりでほとんどの読者が呆れて帰ってしまったと思うので、ここからは気楽にやりたい。

 まず確認しておこう。

「タフマン」の定義は、ヤクルト公式HPによるとこう書かれている。

「タフマンとは、心がタフな人のこと。逆境でもあきらめない姿勢や、いつ何時でも人を思いやり、支えあう芯の強さを持ちあわせている――」

 この定義を元に強引に今季のスワローズの野球へと話を進めてみよう。

<その1> 「逆境でもあきらめない姿勢」。

 今年のスワローズの戦いぶりは、前半戦の独走状態のために見え辛くなってはいたが、そこかしこに「粘り強さ」というものが見られている。

 チーム打率は阪神に次ぐ.247ながらも、チーム防御率はリーグ5位の3.29。首位にいながら総得点354に対して総失点370というチン現象は、このまま優勝すれば2リーグ制以降初の快挙となるらしい。

 いくら交流戦で負け越したとはいえ、正直この数字で首位に立っているのは不思議なのだが、その一方で50勝中21試合にものぼる逆転勝ちを果たすという“接戦の強さ”が顕著だ。

 今年のスワローズは諦めない。粘ってつなげて勝利をもぎ取る、それが今季の勝利パターンである。

 特筆すべきは初回に8点を失った8月17日の横浜戦。先発七條がKOされ5回までに10点を失うも、打線がつないでつないで追い付き、後続の松岡、久古、押本、バーネットが横浜打線を1安打に抑え、セ・リーグ史上初の9点ビハインドからのドローに持ち込んだ。

 この試合をはじめ両リーグダントツとなる14の引き分けも半数以上が粘って追いついたもの。先取点を取られた時、大量失点した時の、“逆境でもあきらめない姿勢”。それこそが、5連敗と最悪の状態からでも勢いに乗る巨人を退けた「タフマン野球」の真髄、その1である。

<その2> 「いつなんどきでも人を思いやり、支え合う芯の強さ」。

 ヤクルトの伝統ともいえるチームワーク。それもタフマン野球の強さの裏付けである。

 9月2日の巨人戦。逆転勝利を収めた試合後のインタビューで、選手たちの談話を拾ってみよう。

「試合前にチーム全員で今日は絶対勝つぞと声を掛け、チームが一つになっていたので、勝てて良かったです。村中が良いピッチングをしていたので、絶対に勝たせてやりたいと思っていました」(勝ち越しタイムリーでヒーローインタビューの田中)

「苦しい中でもみんな団結してやっているんで、良い雰囲気だと思います」(同・村中)

 そして、9月1日広島戦。同じくヒーローインタビューでの松岡の発言。

「みんな一生懸命やっているんで、なんとか結果を出してやろうと必死でした」

 8月30日、広島戦での林昌勇の暴投と緩慢なカバーで敗戦した後も、強行出場を続ける相川は「あそこは僕が止めなければいけない場面だった」と林をかばっている。

【次ページ】 小川監督の言動に見える「タフマン野球」の美しさ。

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