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ファーガソンによる世代交代が成功。
次世代のマンUの姿が見えてきた! 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2011/09/01 10:30

ファーガソンによる世代交代が成功。次世代のマンUの姿が見えてきた!<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

トッテナム戦でゴールを決めたアンデルソンは23歳。アシストは20歳のウェルベック。25歳のルーニーがベテランに見えるほどの若いチームが再び欧州の頂点を目指す

 8月22日のオールド・トラッフォード。ダニー・ウェルベックがトッテナムから先制点を奪うと、トム・クレバリーとフィル・ジョーンズが走り寄った。マンチェスター・ユナイテッドの1軍では馴染みの薄い、ゴール・セレブレーションの一幕だ。

 昨季のマンUは、ベテランと若手が力を合わせてプレミアリーグ優勝を果たした。2連覇を狙う今季、チームは若手主体に生まれ変わっている。

 世代交代を実現する手腕にかけて、アレックス・ファーガソンの右に出る監督はプレミアにはいない。就任26年目の御大は、CL決勝でバルセロナに敗れた昨季末に「勇気を持ってチームに手を入れる」と語っていたが、その答えは、大物獲得ではなく、自身の手による「第4世代」のチーム作りだった。

 アウェイでウェストブロミッジを下した今季開幕戦(2-1)でのチーム平均年齢は、24歳11カ月と現在のプレミア20クラブ中で最低だった。続くトッテナムとのホームゲーム(3-0)での平均年齢は、更に低い23歳6カ月。プレミアの試合ではクラブ史上2位の若さだ。

 最年少は2008-2009シーズン最終節でハル(現2部)と対戦したチーム。しかし、この2年前の1試合での若さは、消化試合で若手が試されただけのこと。それに対して今季開幕からの登用には、CFからGKまで若い戦力がセンターラインを貫く、チームの新たな背骨を実戦で鍛えるという指揮官の意志が覗える。

ユースからの盟友、ウェルベックとクレバリーが得点源に。

 若い背骨の上端はウェルベックだ。20歳のCFは、ディミタル・ベルバトフ、マイケル・オーウェンの両ベテランを抑えて、開幕から先発に抜擢された。23歳の点取り屋、ハビエル・エルナンデスの怪我による出遅れに乗じた形だが、トッテナム戦では1ゴール1アシストでMVPに輝く活躍。互角の展開だった前半は、プレーに絡みたい一心でポジションを下げすぎたが、ハーフタイム中の指示もあったのか、後半には長身のターゲットマンとして前線を主戦場とし、攻勢に一役買った。マイケル・ドーソンに競り勝ったヘディングゴールと、2点目をお膳立てしたバックヒールは、サンダーランドの主力としてフィジカルと状況判断を磨かれた、昨季レンタル移籍の成果だ。

 先制アシストは、得点者が「ユース時代から一緒だからね」と阿吽の呼吸を強調するクレバリーによるものだ。22歳のセンターハーフは、右サイドに開いてパスを受けると、迷わず、ダイレクトでウェルベックにクロスを送っている。マンUでのデビューは、開幕前週、昨季リーグ覇者の一員としてFAカップ王者のマンチェスター・シティと対戦したコミュニティ・シールド。逆転勝利(3-2)を可能にした要因の1つは、ハーフタイムを境に投入されてボール奪取と攻撃参加を繰り返した、クレバリーの存在だった。

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