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クラブと広告主のwin-win効果を!
Jリーグの新しい広告形態の模索。
 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byAFLO

posted2011/08/14 08:01

クラブと広告主のwin-win効果を!Jリーグの新しい広告形態の模索。<Number Web> photograph by AFLO

ドイツでは観客数発表の直前にスポンサー名が映し出される。日本で実現すれば、浦和レッズや横浜F・マリノスのような人気クラブの掲示板は引っ張りだこになるかもしれない

 どこの国のリーグでも、試合前にプレスルームやVIPラウンジでは試合のメンバー表が配られる。Jリーグの運営は非常に優秀で、キックオフの1時間前には記者室にメンバー表が置いてある。メンバー提出の締め切りが早く設定されていることが大きいのかもしれないが、運営者の手際がいいことは間違いない。

 ただし、メンバー表に“一工夫”するという発想力に関しては、ヨーロッパのリーグに一日の長があるように思う。

 8月上旬、筆者がドイツとオランダのリーグ開幕戦に行ったとき(ドルトムント対ハンブルガーSV、ケルン対ボルフスブルク、バイエルン対ボルシアMG、フェンロ対ユトレヒトの4試合)、メンバー表には常にホームクラブのスポンサーのロゴが印刷されていた。試合後に配られるスタッツ(スコア・データなどが書かれた紙)にも、スポンサー名が入っている。

 たとえばバイエルンのスタッツだったら、『リーガトータル』(ペイTV)、『アディダス』、『アウディ』、『アリアンツ』、『コカコーラ・ゼロ』、『ルフトハンザ』など、実に計28社のロゴが印刷されていた。

クラブとスポンサーが「win-win」の関係を築く欧州リーグ。

 Jリーグはメンバー表のフォーマットが統一されていて、どの会場に行っても同じ形式のものが配られる。一方、ドイツやオランダではホームチームが自由に作成しているため、スポンサーに配慮したものができるのだ。

 企業の人たちがVIPラウンジで自分の会社名が入ったメンバー表を受け取ったら、悪い気はしないだろう。メンバー表を見る人数は限られているが、細かなところまで広告主へ配慮することは、クラブを経営するうえでとても大事なことだ。

 これは一例にすぎない。ヨーロッパでは、クラブとスポンサーが互いに「win-win」の関係を築こうとする意欲が強い。

 ブレーメンでは、こんな試みをしている。「チーム11・スポンサー」という広告の枠を設けて11社を募集。大きな看板に4-4-2の布陣にブレーメンの選手の顔写真を並べ、顔の下のユニフォームのところに11社のロゴを描く。ブレーメンではスタジアムの入り口や市内に、この看板が出されている。企業名が入った普通の看板をスタジアムに置くよりも、はるかにサポーターが親近感を抱いてくれるだろう。

【次ページ】 ブンデスリーガでは観客数発表にまで広告主がつく。

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