現役である以上、日本代表への道が閉ざされることはない。
若手であろうが、ベテランであろうが、日本代表の門戸は開かれている。42歳の三浦知良も返り咲きに変わらない情熱を燃やし続けており、日本代表のユニホームに袖を通すことをモチベーションにしているベテランたちは存在する。
32歳のDFは日本代表を目指す。
「マリノスで頑張って結果を残して、もう1度、日本代表を目指していきたい」
そうはっきりと口にするのは、32歳のディフェンダー、松田直樹である。
横浜F・マリノス一筋、プロ15年目のベテランは今年、J1通算350試合出場を果たしたが、「通過点に過ぎない」とますます意気軒昂だ。シーズン途中で再びボランチにコンバートされ、守備でつぶし役になるだけでなく、ボールをさばき、正確なフィードでチャンスを演出するなど攻守にわたってキーパーソンになっている。下位に低迷するチームのなかで、波はあれど、松田の存在感を思い知らされる試合は少なくない。
そんな松田が“日本代表の要”中澤佑二のケガによってセンターバックに回り、チームに降りかかった危機をしのいでいる。1日の京都サンガ戦では、松田らしい味のある守備を見ることができた。リーグ戦の完封勝利は6試合ぶりだ。
柳沢敦、パウリーニョ、ディエゴといった京都の攻撃陣を前に、裏を取られまいとむやみにラインを上げることはしない。かといってラインを下げすぎない。冷静に味方を動かしてスペースを与えなかった。カバリングの指示などもほぼ的確。攻撃を組み立てられない京都側に問題はあったにせよ、前線の柳沢とパウリーリョにはシュートすら打たせなかったのだから、経験に裏打ちされた松田の統率力が光った試合だと言えた。
「ボランチをやってきたことで360度しっかり見えるようになった。中盤の気持ちも理解できるし、ボランチでやってきたことが活かされているように思う」
ボランチとセンターバックで併用されることにも、「自分のプレーの幅を広げるため」と新しいチャレンジを能動的に受け入れたことが、プラスに働いている。07年にはレギュラーから外され、60%ダウンの年俸を受け入れざるを得なかった男は今、「サッカーをやれることが本当に楽しい」と純粋な気持ちでサッカーに取り組んでいる。そして、忘れ物がある日本代表に対して、熱い気持ちを向けているのだ。
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