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繰り返される森本との代表争い。
興梠はオランダ行きを決められるか。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshiya Kondo

posted2009/08/26 11:30

繰り返される森本との代表争い。興梠はオランダ行きを決められるか。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

高校時代から何度も年代別代表に呼ばれ続けていた興梠。昨年のUAE戦でA代表デビューも果たしている

 衆議院総選挙が行なわれる2日前、8月28日に発表されるオランダ遠征メンバーについて、様々な情報が飛び交っている。

 今回、最も注目されているのがカターニャでプレーする森本貴幸。昨季、セリエAで7得点を挙げるなど成長著しい森本をリサーチしてきた岡田武史監督が「移動距離のこともあるので、呼ぶとしたら次に呼んだほうがいい」と招集を示唆したことで、メディアは一斉に「当選」を報じた。

「当選」確実の森本に押し出されるのは……。

 当然ながら森本が初招集されれば、押し出される形で「落選」も出てくる。その当落線上にいる一人が鹿島アントラーズのストライカー、興梠慎三だ。

 マルキーニョスとの2トップで首位を独走する鹿島を牽引しているのだが、日本代表では7試合に出場していまだノーゴール。岡田監督が19日の神戸戦を視察先に選んだのも、興梠と、本調子にはまだ遠い大久保嘉人の状態を自分の目でチェックしたかったからにほかならない。その大事な試合で開始早々にゴールを挙げた大久保とは対照的に、興梠は腰を痛めて後半途中でピッチを去り、オランダ行きをアピールすることはできなかった。歯ぎしりが聞こえてきそうなほど、本人の表情には悔しさがにじんでいた。

因縁浅からぬふたりがふたたび代表争いを。

 2歳下の森本とは浅からぬ因縁がある。1年前、北京五輪出場を目指していた興梠と入れ替わるようにして五輪代表に入ったのが、森本である。森本の評価が上がっていけばいくほど興梠の存在感が薄まっていき、本大会のメンバー選考で興梠の名前が呼ばれることはなかった。

 取材に応じた彼はショックに打ちひしがれながらも、前を向き、言葉を吐き出した。

「まあ、入らないとは思っていましたからね……だけど、絶対にこの悔しさをバネにして、A代表を目指していきたい」

 その後、彼の目の色が変わった。「“鹿島のレギュラー=代表”というイメージで」と語った興梠は落選を境にして鹿島でレギュラーの座を完全に奪い取り、岡田監督の目を引くことになる。そして、今や代表のエースに成長しつつある岡崎慎司と同時期に呼ばれ、昨年10月のUAE戦で念願のA代表デビューを果たすのだ。

<次ページに続く>

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