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あと20年間は日本での五輪は無理!?
韓国・平昌の冬季五輪決定の余波。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2011/07/11 10:30

あと20年間は日本での五輪は無理!?韓国・平昌の冬季五輪決定の余波。<Number Web> photograph by KYODO

2018年の冬季五輪が韓国・平昌(ピョンチャン)に決まった瞬間のイ・ミョンバク大統領とキム・ヨナ。キム・ヨナは今回の五輪招致活動に多大な貢献をしている

2020年の東京五輪は絶望的!?

 平昌に開催地が決まったことは、日本のスポーツ界にも大きな影響を及ぼす。メディアでも2020年の東京オリンピック招致に関し、「不利に働く可能性がある」という表現を使っているが、ずいぶんと気を使った言い方である。

 東京の招致運動の関係者のなかには「夏のオリンピックのなかでの大陸間ローテーションもある」と希望を捨てない向きもある。しかしそのローテーションを見たところでアジアは厳しい。

 2000年からの開催地、そして開催予定地を見てみれば、シドニー(オセアニア)、アテネ(ヨーロッパ)、北京(アジア)と来て、ロンドン(ヨーロッパ)、そしてリオデジャネイロ(ブラジル)の順番だ。

 ヨーロッパで開催したら、次は別の大陸、そしてまたヨーロッパに戻るというのが、これまでの基本的な流れであり、2020年はヨーロッパに戻るという見方が強い。

2020年の夏季オリンピックに立候補している都市と国は17もある。

 現状、2020年の夏季オリンピックに立候補の意向を持っている都市、国は17にものぼる。

・アフリカ
カイロ(エジプト)/ケニアの都市/カサブランカ(モロッコ)

・ヨーロッパ
ローマ(イタリア)/マドリッド(スペイン)/バクー(アゼルバイジャン)/フランスの都市/ブダペスト(ハンガリー)/リスボン(ポルトガル)/サンクトペテルブルグ(ロシア)/イスタンブール(トルコ)

・アジア
東京(日本)/デリー(インド)/ドーハ(カタール)/ドバイ(アラブ首長国連邦)

・北アメリカ
トロント(カナダ)

・オセアニア
ブリスベン(オーストラリア)

 今後、正式に立候補をする都市は絞られていくだろうが、平昌に決まったことを受け、東京がどういった対策をとるかが注目される。可能性は低くても立候補するのではないか――それが私の読みだが、震災ファクターもあり、予断は許さない。

【次ページ】 2020年は無理としても……2024年も無理なのか?

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