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アンデルレヒトに逆転優勝はあるか? 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2005/04/19 00:00

アンデルレヒトに逆転優勝はあるか?<Number Web> photograph by AFLO

 ベルギーリーグの優勝争いが、わからなくなってきた。

 首位のクラブ・ブルージュと2位のアンデルレヒトの勝ち点差は、2月中旬の時点では14もあった。このとき消化試合でアンデルレヒトは2試合少なかったとはいえ、余りにも大きいビハインドだ。アンデルレヒトはブルース監督を解任して、アシスタントコーチだったベルカウテレンを監督に昇格させて、なんとか悪い流れを変えようとした。

 ここからアンデルレヒトの快進撃が始まる。

 監督交代直後のオーステンデ戦は0対1で負け、続くリエルセ戦を1対1で引き分けたものの、その後は4月9日まで一気に6連勝。第28節終了時点(4月11日)で首位のブルージュとの勝ち点差は4にまで縮まった。

 アンデルレヒトが生まれ変わった理由を、元ベルギー代表コーチのスネルデルス氏はヘット・ラーステ・ニュース紙でこう分析した。

 「ブルース前監督は選手の起用法をめぐって、チームを分裂させてしまっていた。ベルカウテレンは、そのバラバラになったチームを再びひとつにした。それだけでなく、DFラインからビルドアップする規律あるチームを目指している。ブルース下のチームでは、妥協だらけだったからね」

 アンデルレヒトが追い上げてきたことで、新たな珍(?)疑惑も生まれている。

 4月2日のラルビエール対クラブ・ブルージュの試合でのことだ。ラビエールは首位を独走するブルージュ相手だというのに、よりによって若手中心の2軍ともいえるチームで試合に臨んだのだ。ブルージュは余裕を持って、2対0で圧勝。アンデルレヒトの関係者は「ブルージュが買収したのではないか?」と怒りの声をあげた。

 ベルギー・サッカー協会も黙っておらず、現在ラルビエールの監督や選手たちを厳しく尋問しているところだ。ただ試合の直前に聞き取りをしたり、そのやり口が強引なので、ルビエールのガオネ会長は「協会の取調べ官は、まるでナチス時代のゲシュタポのようだ。若手に経験を積ませることが罪になるなら、サッカーは死んだも同然だ」と激怒している。

 真実はまだ明らかになっていないが、ここまでアンデルレヒトが首位に迫らなければ、この試合が疑われることもなかったろう。それだけ現在は、わずかな勝ち点差が優勝争いを左右する状況になっている。

 アンデルレヒトはFWのイェストロビッチが絶好調で、14点を取って得点ランキングのトップに立っている(28節時点)。一方のブルージュは堅い守備が売りだが、最近は得点力不足に悩んでいる。28節のホームのスタンダール・リエージュ戦では、1対1で引き分けてしまった。

 最終節の直前の第33節(5月15日)には、ブルージュ対アンデルレヒトの直接対決がある。勢いからいえば、アンデルレヒトが有利。普段はあまり注目されないベルギー・リーグだが、この日ばかりはヨーロッパの中で最も重要な試合になるに違いない。

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