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ロス・ブラウンでホンダはどうなる? 

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西山平夫

西山平夫Hirao Nishiyama

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photograph byMamoru Atsuta(CHRONO GRAPHICS)

posted2007/11/26 00:00

ロス・ブラウンでホンダはどうなる?<Number Web> photograph by Mamoru Atsuta(CHRONO GRAPHICS)

 天空360度、まったく雲のない秋晴れにめぐまれた「ツインリンクもてぎ」で11月23日、ホンダのモータースポーツ・ファン・サンクス・イベント「エンジョイ・ホンダ」が開かれ、ホンダF1チームの中本修平ディプティ・マネージング・ダイレクターが、知将ロス・ブラウンをチーム代表に迎えてのチーム再建計画の一端を語ってくれた。

 まず今年の不振に関して「惨敗の原因はひとつ、空力です。ブレーキング状態に入った時、コーナーによって空力のキャラクターが変わってしまう。たとえば250km/hから200km/hまで減速するコーナーはうまく走れるけど、300km/hから150km/hまで減速するコーナーはうまく走れない、といったことが起きるのでドライバーは手探りで走ってる。それを解消するためにどうしてもダウンフォースを多目にすることになり、ストレートでの空気抵抗が増えて、最高速度がマクラーレン、フェラーリより10km/h近く低くなる」

 この症状のため、シーズン開幕当初から「フェラーリ、マクラーレンに対し1ラップで2、3秒後れを取った」という信じ難い事態になり、0.5秒の差が決定的といわれるF1で2、3秒差はあまりにも大き過ぎた。それでも、シーズン中懸命の改良が続けられた結果「ラスト3戦でラップ1.6秒まで詰めることができた」といい、中本氏はここから来年のターゲット・タイムを次のように設定する。

 「毎年、トップチームは前年比0.7秒ラップタイムを上げて来るといわれている。そうするとウチは今年のクルマをベースに2.5秒上げなければならない。その2.5秒を空力で何秒、車体で何秒、エンジンで何秒と振り分けているが、F1の性能の8割は空力と言われているから、空力で2秒上げなければならない」

 この計画を中本氏がロス・ブラウンに告げると「普通、2.5秒も上げることはしないよ」という返事が返って来たので「でもそうしないと勝てない」と言うと「そうだよな」と苦笑したそうだ。

 ホンダはいま新車の開発に全力を上げ、毎年恒例の1月中旬の発表会用ローンチ・キットはできており、その後のアップデート・キットは計画を4週間前倒しした結果、11月下旬現在、開幕戦のキットにかかっているという。

 中本氏は「ローンチ・キットでフェラーリに1秒差なら面白いシーズンになる」と言うが、当日もてぎに現れたジェンソン・バトンは「来年は優勝はもちろん、表彰台も難しいと思う」と、現実的な感想を述べていた。

 中本氏は「来年用のクルマは我々のクルマ。ロス・ブラウンのクルマができるのは2009年」としており、ホンダが2009年に表彰台の常連となるためのシーズンが来年ということになりそうだ。

 ロス・ブラウン効果がいつ戦績に反映されるのか、来年のホンダの復活に期待したい。

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