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韓国サッカー界を襲う八百長騒動。
不正の裏にある3つの背景とは? 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph byJang-Hun Kim/AFLO

posted2011/06/04 08:00

韓国サッカー界を襲う八百長騒動。不正の裏にある3つの背景とは?<Number Web> photograph by Jang-Hun Kim/AFLO

2006年にはガンバ大阪とも戦いACLで優勝を果たした元Kリーガーのチョン・ジョングァン(当時、全北現代)が、遺書で八百長を認めて自殺。他にも多くの現役選手へと疑惑が拡大中である

 自殺者が出た。

 元Jリーガーが逮捕された。

 代表クラスの選手の黒い噂も絶えない。

 8月にザックジャパンと対戦する韓国のサッカー界が揺れている。先月末、Kリーグでの八百長事件が発覚した。同国スポーツ史上最悪といわれる事態に、国内でのサッカー界の信頼が失墜している。8月10日の日本との対戦時(札幌ドーム)の雰囲気にも、この一連の事件は大きく影響を及ぼすことは間違いない。

Kリーグの現役選手らが逮捕された!!

 5月25日、韓国国内メディアが一斉に衝撃的なニュースを報じた。

「Kリーグの八百長事件で地方検察が選手ら4人を拘束」

 釜山(プサン)にほど近い昌原(チャンウォン)地検が、Kリーグの選手2人とブローカーの身柄を拘束した。同地方のケーブルテレビ局が取材中に情報を察知。検察に通告したことが事の発端だった。

 容疑は、2011年4月のカップ戦でブローカー2人が選手2人を買収したこと。ゴール前の決定的なプレーなどで力を抜くことを求めたというもの。ブローカー2人はスポーツくじでこの試合の「負け」を予想。不当に利益を得た疑いを持たれた。選手2人はそれぞれ、1億ウォン(約750万円)、1億2000万ウォン(約900万円)の報酬を受け取った疑いがかけられた。

昔から噂され、告発されてきた八百長問題だが……。

 すぐさま国内メディアは「国内全クラブに蔓延か」との推測を報じた。韓国では古くから八百長の噂が出ては消えていたからだ。

 '98年、フランスワールドカップで大会途中に代表監督を更迭されたチャ・ボングン(現解説者)が国内メディアにKリーグの八百長を暴露。これが更迭の「腹いせ」とみなされてか、チャ・ボングンは大韓サッカー協会から5年間の監督資格停止処分を受けた。'03年5月には国内某クラブの幹部クラスが自社内の資金横領事件で逮捕されたことがあった。この逮捕直前に、この元幹部が各メディアに「八百長が行われている」と一斉にFAXをリリース。各紙で小さな記事になったこともあった。

 韓国サッカー界はこれまでにも「八百長に関与すれば罰金5000万ウォン(約370万円)に加え、永久除名される可能性がある」との覚書を選手から受け取るなど、不正防止に努めてはきたが、今回のような事態を防ぎきれなかった。

【次ページ】 大手メディアも薄々知りながら、記事にできずにいた。

イビチャ・オシムの「オシム問答」
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