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“レアルNo.2”バルダーノの追放完了!
クラブを完全支配したモウリーニョ。 

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中嶋亨

中嶋亨Toru Nakajima

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photograph byMutsu Kawamori

posted2011/06/01 10:30

“レアルNo.2”バルダーノの追放完了!クラブを完全支配したモウリーニョ。<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori

チェルシーには50年ぶりのリーグ優勝をはじめとして数々の栄光をもたらしたが、それでも追われるように辞任したモウリーニョ。レアルとの契約は2014年まであるが、バルダーノ追放でその地位も磐石か?

クラブで私腹を肥やした? バルダーノへの疑惑。

 バルダーノの後任として、GDのポストにはジダン、フィーゴ、イエロといった大物レアルOBの名前が挙がっているように、GDという役職がモウリーニョにとって邪魔なわけではない。

 あくまでも、バルダーノ自体がモウリーニョにとって、邪魔だったのだ。

 バルダーノは現在、「Inmarkグループ」という会社の副社長を務め、その傘下には「Make a Team」という選手、監督、コーチ、代理人のマネジメントをはじめ、様々なスポーツマーケティングを行なう会社がある。Inmarkグループは、スポーツ以外にも企業ファイナンス、通信、保険と幅広く事業を手がけている。

 バルダーノは、レアルのGDを務めながらも、Inmarkグループの副会長の座から離れることはなかった。

 それ故、バルダーノが選手の獲得・放出にかかわる際には、Inmarkグループの利益が優先されているのではないかという噂が実しやかに囁かれてきた。

スナイデルは「レアル上層部にはマフィアがいる」と痛烈批判。

 例えば、バルダーノがペレス会長と共にレアルに復帰した2009年夏、ロッベンとスナイデルは、ペジェグリーニ監督と本人たちが残留を希望したにもかかわらず、強行的に放出された。

 その際、スナイデルは「レアル上層部にはマフィアがいる」と捨て台詞を吐いた。ペジェグリーニ、ファンデ・ラモスらの前任であるシュスターも、このようなコメントを残している。

「監督が必要とし、本人も残りたいと言っている選手を追い出す現場で、監督が仕事をできるわけがない。レアルのフロントで決定権を持つ人物は、自分の利益を優先する補強をしようとしている」

 名前が明らかにならずとも、スナイデルとシュスターが誰に向けて言葉を発したのか、容易に想像がつく。選手や代理人のマネジメントを手掛けている会社のトップがレアルの補強における権力を有していて、監督の意向が受け入れられないということが起きれば、その裏で何が起きているのかは察しがつくというものだ。

【次ページ】 チェルシーでの失敗を繰り返さないための全権掌握。

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