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“レアルNo.2”バルダーノの追放完了!
クラブを完全支配したモウリーニョ。 

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中嶋亨

中嶋亨Toru Nakajima

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photograph byMutsu Kawamori

posted2011/06/01 10:30

“レアルNo.2”バルダーノの追放完了!クラブを完全支配したモウリーニョ。<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori

チェルシーには50年ぶりのリーグ優勝をはじめとして数々の栄光をもたらしたが、それでも追われるように辞任したモウリーニョ。レアルとの契約は2014年まであるが、バルダーノ追放でその地位も磐石か?

「長年、一緒にやってきた彼とこのようにして別れるのは悲しいことだ」

 レアル・マドリー会長のフロレンティーノ・ペレスは、ゼネラル・ディレクター(GD)のホルヘ・バルダーノの解任を発表する際、こう言った。そしてその理由は、「(監督のモウリーニョとの)調和を生み出せなかった」からだと。

 モウリーニョとバルダーノとの間に確執があったことは周知の事実だ。

 モウリーニョは、監督就任当時から、「彼の仕事場はロッカールームではない」と発言するなど、バルダーノがチームに近づくことを嫌っていた。シーズン中には、ペレス会長にバルダーノを練習場、スタジアムのロッカールームに入れないことを直訴し、それが受け入れられないのなら、自分がレアルを去ると迫った。

 その結果、バルダーノがチーム(モウリーニョ)と同じ飛行機に乗って遠征に帯同することはなくなり、スタジアムはもちろん練習場のロッカールームにも立ち入ることはなくなった。

「世界最高の監督に“賭ける”ことを選んだ」とペレス会長は全面支持。

 チームから隔離された当時のバルダーノは、「彼(モウリーニョ)が働きやすい環境を作ることが重要だ」と語ったが、本心は穏やかではなかっただろう。

 ペレス会長が解任を発表した直後の記者会見では本音が出ている。

「会長には、モウリーニョと私と3人で話し合う場を作って欲しいと言ってきたが、モウリーニョはそれを受け入れなかった。ここ数カ月でクラブは進路を変え、私の存在が邪魔になった。私はクラブを去るつもりはなかったが、そうせざるを得なくなったのだから、誰が勝利したのかは明らかだ」

 バルダーノ自らが敗北を認めたように、モウリーニョはバルダーノとの政争に勝利した。バルダーノが言う「クラブは進路を変えた」とは、ペレス会長の、「モウリーニョはイングランド(マンチェスターUやアーセナル)のように、監督がより大きな決定権を持つ環境を求めている。私たちは世界最高の監督に“賭ける”ことを選んだ」という言葉を指している。

 ではなぜ、モウリーニョがレアルというクラブの全権を掌握する上で、バルダーノの存在が、「邪魔」になるのだろうか。

【次ページ】 クラブで私腹を肥やした? バルダーノへの疑惑。

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