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木村沙織 「目覚めたパッション」
~バレーボール・グラチャン直前特集~ 

text by

久保大

久保大Masaru Kubo

PROFILE

photograph byKosuke Mae

posted2009/11/09 10:30

木村沙織 「目覚めたパッション」 ~バレーボール・グラチャン直前特集~<Number Web> photograph by Kosuke Mae
ロンドンに向けて眞鍋政義監督が就任し、新たなスタートを切った全日本女子。今季を締めくくるグラチャンを控え、チームの中軸を担う23歳に問う。
今、全日本に必要なものとは――。

 今年8月、ワールドグランプリを全勝優勝で終えたブラジルのジョゼ・ギマラエス監督は日本チームで最も印象に残った選手を問われてこう答えた。

「木村沙織だ。彼女は全く違う選手になった。安定感を増し、プレーに波がなくなった」

 眞鍋政義監督も新生全日本の軸としてあげる木村。これまで“天才”、あるいは“天然”と評されることの多かった23歳の何が変わったのか。全日本の合宿先に彼女を訪ねた。

――グラチャンを前に、セッターのトスをネットから少し離してもらって打つ練習をしているそうですね。

「8月の北海道合宿で練習しました。ブラジルの踏み込みの映像を見ると、日本の位置より後ろから勢いで入ってきて、少し空中でブロードしながら打ってるんです。やってみたんですけど、なかなか難しいです。癖でいつもの、前の位置で踏み込んでしまう」

――トスを離す狙いはどこに?

「ボール一個分、ネットから離した方が相手のブロックをかわせるというのが眞鍋監督の考えみたいです」

――相手のブロックを利用するブロックアウトがとりやすい?

「打つコースの幅は広がると思います。ただ、トスを離すと、その分パワーがないとブロックをはじき飛ばせないし、相手コートにも落ちない。スピードでブロックを1枚にしても、パワーがないと拾われてしまう。レシーバーをはじき飛ばすぐらいのパワーがないとダメだなと今、思っています」

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