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若手の星、福澤の台頭で
戦力充実の男子バレー。 

text by

市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

PROFILE

photograph byKiyoshi Sakamoto

posted2009/09/30 06:00

韓国戦でチーム最多の15得点を挙げた福澤。最高到達点357cmは全日本でトップである

韓国戦でチーム最多の15得点を挙げた福澤。最高到達点357cmは全日本でトップである

 8月28日から3日間、愛知県で開催されたバレーボール世界選手権アジア予選。昨年、16年ぶりにオリンピックの舞台を踏んだ全日本男子は、この大会で世界ランキング19位の韓国、24位のイラン、30位のカザフスタンを相手に順当に白星を重ね、3戦全勝で本戦への出場権を獲得した。現在、世界ランキング12位の日本にとって、いずれもランキングでは下位の格下チームだったが、世界選手権においては実に13大会連続で本戦出場を果たしていただけに、絶対に負けられないアジア予選を1位で通過できたことは大きな自信となるはずだ。

エース越川の存在感を霞ませた23歳の伏兵。

 3戦を通じて活躍が目立ったのが足首の故障で控えに回ったエース、越川優に代わり、レフトでスタメン出場を果たした福澤達哉だった。「全日本ではいちばん年下(23歳)なので思い切りプレーしようと思った」と試合後、安堵の表情で大会を振り返ったが、起爆剤的な働きどころか出場したウイングスパイカーの中で最も安定したプレーを見せ、越川欠場のピンチを救った。特に出場権のかかる韓国との最終戦では70%という高いスパイク決定率を残し、勝利に大きく貢献。北京五輪メンバーから荻野正二が退き、越川、石島雄介がレギュラーの有力候補だと予想されていたが、福澤の台頭でレフトのポジション争いが激化し、選手層が厚くなったことは間違いない。

「7月のワールドリーグでは越川さんと自分との力の差を見せつけられて悔しかったです。このままではダメだと感じました。越川さんと自分の一番の違いは、練習でできていることを試合で発揮できるかどうか。試合で確実に結果を出す越川さんを見習って、自分も、首脳陣が計算してコートに送り出せるような選手になりたいです」

懸念材料は残るが、精神面の成長が光る。

 今大会ではセットの終盤、プレッシャーのかかる場面で確実に得点を重ねるなど、精神面での成長が垣間見えた。懸念されていた守備にはまだ弱点も残るが、代表入りした当初と比較すれば着実に進歩を遂げている。

 全日本が迎える次の舞台は9月26日から開催されるアジア選手権。先にイタリア移籍を発表した越川がエントリーを外れるであろう大会で、どれくらい安定したプレーを見せられるか。福澤のさらなる成長に期待したい。

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